日々の生活で注意したいこと
食生活
「食事」は愛猫が健康に生活を送る上で最も重要なものです。
自分で食べるものを選べない愛猫の健康は、私達が与える食事に左右されます。
猫が栄養学的に人や犬と大きく異なるのは、完全な肉食動物であるという点です。猫にとっては動物性蛋白質が非常に重要な栄養素となります。タウリンやアルギニンといったアミノ酸は食事の中から摂取する必要があります。人とは栄養学的に完全に異なるため、猫に必要な栄養の組成を満たす食事をしっかりと与える必要があります。 また、私達と同じように成長段階に応じて、食事量や栄養組成の調節が大切です。
仔猫の時には、成長に重要な栄養素を不足なく摂取し、十分なカロリーを必要とします。 成猫では、近年多く認められる肥満や下部尿路疾患の予防など、老齢猫では、機能低下してくる腎臓のケアにも配慮してお食事を与えることができれば好ましいでしょう。
しかし、実際に理想的な食事を用意することはなかなか大変であるため、総合栄養食として作られているキャットフードを利用するのが一般的です。 愛猫は単一のキャットフードを食べることが多いため、できるだけ品質の高いものを選んであげることが、長期的な健康のために推奨されます。
当院では、愛猫のライフステージ(仔猫・成猫・中齢期・高齢猫)、体質や疾病予防(肥満、避妊・去勢後、尿路疾患など)を考えて獣医師が開発した、高品質で嗜好性の高いキャットフードを常用食として推奨しております。
病気の猫の食事
愛猫が病気になった場合、それぞれの疾病に合った食事が要求されます。
病院で処方する療法食は、獣医師により作られた特別な食事です。研究に基づき、疾患を悪化させる要因を軽減し、疾患の改善を助ける栄養素が配合されています。最近の療法食は、嗜好性に対してもよく改良されています。
猫では、腎疾患が多く、罹患時には長期的な食事管理が重要となります。 また、猫は水を飲む習慣が乏しいため、下部尿路のトラブルが多く認められます。食事による管理が治療の要といってもよいでしょう。 疾病によっては、病気の進行程度に合わせて細かく食事管理をすることができます。 食事管理は、治療の一環でもあります。適切な食事を与えていただくことが、疾病の改善、進行の防止、病状の安定や寿命の延長に繋がります。
栄養素の制限が厳密なため、常用食としては適しません。場合によっては、健康を害する恐れがありますので、必ず獣医師に相談のもとで与えましょう。
猫に与えてはいけないもの
私達が日常的に食べているものでも愛猫にとっては致命的となる食べ物があります。また、私達の生活環境の中には危険となるものが沢山存在します。突然、愛猫が予期せぬものを口にしてしまうケースは多いものです。避けることができる危険は知っておきましょう。ここでは一部をご紹介します。
食べ物:魚介類の与えすぎ・鳥の骨・など
危険なもの:人間薬(特に糖衣錠)、洗浄剤、紐、殺虫剤や除草剤、ユリ科植物など