猫の予防医療
1.ワクチン接種
エイズ、白血病など怖い伝染病がたくさんあります。
事前に予防することで恐ろしい伝染病から愛猫を守ってあげましょう。
ネコちゃんのワクチンには3種・5種の混合ワクチンとネコエイズワクチンがあります。 5種ワクチンを接種する際にはネコ白血病ウイルスの血液検査を行い、すでに感染がないかを確かめてから接種を行います。
ワクチン接種で予防できる伝染病
猫ウイルス性鼻気管炎 | ヘルペスウイルスによる感染症で、ひどいくしゃみや鼻炎などの呼吸器症状をひきおこします。感染するとウイルスは生涯体内に残ります。 |
---|---|
猫カリシウイルス感染症候群 | 猫ウイルス性鼻気管炎と同様の呼吸器症状をはじめ、症状がすすむと口の周辺に潰瘍ができたり、急性の肺炎をひきおこします。 |
猫汎白血球減少症 | パルボウイルスによる感染症で、白血球が極端に減少してしまいます。子猫では1日で死ぬこともある怖い病気です。 |
猫クラミジア病 | クラミドフィラフェリスによる感染症。結膜炎や鼻水くしゃみ、肺炎などをひきおこします。 |
猫白血病ウイルス(FeLV) | FeLVは血液や唾液、涙、糞尿などに含まれ、感染経路が多くうつりやすい伝染病です。ネコちゃん同士が同じ食器を使っていたり、お互いに舐めあうなど、FeLV陽性ネコちゃんとの長時間に及ぶ密接な接触によってうつります。 持続感染すると80%が3年以内に死亡するといわれている伝染病です。白血病やリンパ腫などをひきおこします。免疫力が弱まるため、いろいろな病気も併発しやすくなります。また、潜伏期間がとても長く、その間は見掛け上健康にみえますが、ウイルスを唾液中に排出しており、他のネコちゃんにうつってしまうことがあります。 |
猫免疫不全ウイルス感染症 (FIV・猫エイズ) |
FIVはウイルスが主に血液や唾液に含まれるため、ネコちゃん同士のケンカで噛まれたりすると感染します。FIVに感染するとはじめは一見健康そうに見えますが次第に元気がなくなっていきます。免疫力が低下するため、いろいろな病気を併発しやすくなり、ついには死亡してしまうこともあります。 |
2.寄生虫の予防
お腹の寄生虫の予防も重要です。
定期的に駆虫を行いましょう。
お腹に虫が寄生するとさまざまな症状を引き起こします。
代表的な内部寄生虫症
回虫症 | 猫回虫卵の経口摂取や、母猫の母乳から感染します。子猫では重篤な症状を引き起こします。症状としては、腹部膨満、削痩、貧血など、多量に寄生すると肺炎などもおこします。 |
---|---|
鉤虫症 | 鉤虫の幼虫は土壌や湿った環境に存在します。幼虫の経口摂取することで感染します。粘血便、貧血などが起こります。 |
瓜実条虫症 | 中間宿主であるノミを摂取することで感染する病気です。 肛門から虫の体の一部が排泄されます。多数感染では、削痩、嘔吐、出血性下痢等をひきおこします。 |
猫条虫症 | 中間宿主であるネズミなどを捕食することで感染します。多数感染するとカタル性腸炎、下痢などをひきおこします。 |
エキノコックス症 | エキノコックスはキタキツネや犬、猫にも寄生します。中間宿主であるネズミを捕食することでおこります。人にも感染し、人が虫卵を経口摂取すると重篤な肝機能障害をひきおこします。 |
3.ノミ予防
ノミは徹底的に駆除しましょう。
ノミの幼虫は寝床やカーペットの奥にひそんでおり、ノミが体に寄生するとかゆみからの皮膚炎やノミの唾液によるアレルギー、吸血による貧血などを引き起こします。 また、飼い主様にも寄生し、人獣共通感染症もひきおこすことがあるので、徹底的な駆除が必要です。
ノミは通年予防を行いましょう。
ノミの卵は外気が13度以上あれば孵化します。ノミは暖かい季節に多く発生しますが、暖かいお家のなかに入ってしまっては一年中繁殖してしまいます。飼い主様の洋服や靴にくっついてお家に持ちこんでしまうこともあります。 室内飼いの子もノミの通年予防を行いましょう!