Fujii Times(ブログ)
2017年06月11日
総務スタッフです。機器についてのページを更新しました。(検査機器、滅菌器、手術用機器、治療用機器)。最新の医療機器が増えました。医療機器は日々の診察や治療から、動物や飼い主さんにとって何が必要なのかを院長や獣医師が考え、定期的に刷新しています。
刷新された機器をいくつか抜粋します。
◎エコー診察室用 FUJIFILM FAZONE CBv
これは診察室内の検査用エコーです。当院では詳細な検査は別器ALOKAプロサウンドα7で実施しますので、本器では、腹腔内の簡単なチェックしかしませんが、診察室内の検査と言っても従来よりも機能的には十分な診断が可能で、かなり充実した検査が可能です。鮮鋭度がとても良くなっていて、血流分布をマッピングし視覚的向上が見込める「カラードプラー」や、任意の位置(血管)で血流信号をとらえることができる「パルスドプラー」も可能です。
◎ホルモン測定器 FUJIFILM DRI-CHEM IMMUNO AU10V
コルチゾル、サイロキシン(T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定ができます。犬猫に多く認められる、副腎皮質機能異常、甲状腺ホルモン異常を迅速に検査することが可能です。
副腎皮質機能亢進症は老齢の犬に多く認められますが、特に猫では高齢で甲状腺機能亢進症が非常に多いです。これまでは、検査診断は外注検査に提出しなければならなかったため、診断するのに数日かかることもありましたが、現在では院内で検査可能ですので、その日のうちに結果がわかるというメリットがあります。
◎トノペット
トノペットは点眼麻酔なしで眼圧測定が可能な眼科検査機器です。プローブは清潔に個包装されたディスポーザルタイプのため感染症や微生物汚染の心配がありません。※従来のトノペンは点眼麻酔が必要でした。
◎ソノサージ(SonoSurg)
ソノサージは、止血をしながら切開をすることが可能な機械です。バイクランプ同様、糸を用いることなく低侵襲な手術を行うことができます。当院では、主に猫の去勢や避妊、腹腔鏡を使用した手術の際に活躍しています。
その他の機器もありますが、これらは全て動物たちへの安全安心医療のため、目的に応じた検査診断・治療のためでありそれらが飼い主さんのためとつながるものばかりです。
院長は常々「医療機器は、お金さえ出せばどこの病院でも導入できる。大事なのは、その導入する目的と理由だ」と話をします。例えば、数年前、発売すぐに動物病院用3DマイクロX線CTを導入しました。
この機器を導入するまでは、X線CTの検査機器は採用を見合わせていました。理由は、犬猫の小動物診療においてもCT検査機器のほとんどが人間用の大型のもので、寿命が人間より短い動物に対して被曝線量が多く、それによる発がん率の上昇を懸念していたからです。
本器の導入により、小型化、短時間での撮影(最短18秒/回)も可能となり、動物への被曝量もへり、また散乱放射線の低減と被爆も抑えることができるようになり、獣医師や動物看護師への負担も軽減されています。
次回、詳しく書きたいと思いますが、昨年2016年に導入した腹腔鏡手術用ユニットもまさにその一環であり、従来であれば宿泊が必要だった手術でも腹腔鏡であれば、即日に退院できるなど動物負担や飼い主さんの心理的負担も軽減されています。
言うまでもありませんが、大事なのは最新医療機器ではなく、医療の向上、動物負担の軽減につながる安心安全医療であり、その実現の一環として医療機器への設備投資を重ねています。
飼い主の皆様にはその当院の気持ちを少しでもご理解いただければ嬉しい限りです。