Fujii Times(ブログ)

2017年06月18日

「よくわかりました」と安心してもらえる背景

総務スタッフです。以前、獣医師、動物看護師募集用の撮影をした際に、「先生の説明でよくわかりました」という飼い主さんの声が聞こえてきました。セカンドオピニオンとして当院にお越しになられた飼い主さんでしたが、初診で訪れる方や検査後の説明、術後の経過説明などその時々にそういった声をよく耳にします。

「よくわかりました」と言ってもらえる背景にはいくつかの理由があるように感じます。それは、丁寧な説明や対応の結果かもしれません。一般的な言い方をすれば「飼い主様の立場にたっていること」が評価につながっているのだと思います。

ただ「飼い主様の立場にたっている」とはどういうことでしょうか。例えば、親切にやさしい言葉で説明をすれば、飼い主様の立場に立ったことになるのでしょうか。もちろん接する態度も大事ですがそれだけでは十分ではないはずです。

飼い主様の立場にたち「(先生の説明で)よくわかりました」と言ってもらえるのは理解いただけるよう「どのような思考や判断の課程を経てその結論に至ったのかを、明確に説明をしてきた」からだと思います。

獣医師は事実や主観的・客観的データにもとづき整理し考察し、診断プランや治療方針を決めていきます。そこには常に根拠があり、その結果、当院には「とりあえずの検査」「とりあえずの薬」など無駄な判断がありません。

これらの基になる考え方「論理的思考」と言い、繰り返し伝えてきているSOAPはそのフレームワークの一つですが、論理的思考は1年間毎日その経験をしても2割の人も身につかないと言われています。論理的思考やSOAPのことは学生の皆さんでも知っている言葉ですが、知っているとできるには大きな隔たりがあります。

「『思考は技術』。情報はかんたんに検索すれば手に入るけれど、技術の習得は鍛錬が必要。かんたんには手にできない」。これは、藤井院長からよく耳にする言葉です。まさにその鍛錬を積んだ獣医師の説明だからこそ、飼い主さんに「先生の説明でよくわかりました」と言ってもらえるのだと感じます。