Fujii Times(ブログ)
2017年12月24日
総務スタッフです。
藤井院長が昨年末(2016年12月29日に)下記のようなTweetを投稿していました。
あれから1年、先日(2017年12月22日(金)、TwitterなどSNSを見ていると、「猫インフルエンザ」についての投稿が多く見られました。
上のグラフは「猫インフルエンザ」というキーワードを含むTweet数ですが、2017年12月22日(金)の20時頃に集中しています。この日の元記事の時間経過を見ると、朝日新聞デジタルが17時28分、共同通信が20時、LINEニュースが22時46分と記事を投稿していることがわかります。
それらの記事を元に、一般の人がTwitterなどのSNSに投稿したと想像できます。みなさん、自分が気になる記事があるとすぐにSNSに投稿すると思います。それ自体は悪いことではありませんが、時に事実と違った解釈が広がる恐れもあります。
その情報が間違いでないかどうかは、その情報の根源に戻ることが大事だと思います。今回は各社の情報が何を元にニュースとしているかです。探してみると、それらニュースの情報元は、東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウィルス感染分野の河岡義裕教授が12月22日14時30分に発表したプレスリリースによるものだとわかります。
内容の詳細はこのプレスリリースをご確認いただくことが正確ですが、発表のポイント冒頭にも書かれているように
・2016年12月から2017年2月の米国ニューヨーク市の動物保護シェルター500匹以上のネコがH7N2のネコインフルエンザウィルスに感染した。
・このネコから分離されたH7N2ネコインフルエンザウィルスの性状を解明するため、哺乳類を用いて感染実験および感染伝播実験を行った。
とあります。
拡散されたTweetの多くを見ると、あたかも猫インフルエンザが今、流行っているような錯覚にも陥りますが、ネコインフルエンザに感染したのは、昨年(2016年)末から本年(2017年)初旬の話です。各社は、それを「昨冬」という言葉で書いていますが、SNSで拡散される時は、昨冬という文字が消え、「猫インフルエンザ」という言葉だけが、先走りしてしまいます。
もう少しこの発表を掘り下げると
・H7N2ネコインフルエンザウィルスは、哺乳動物の呼吸器でよく増える。
・ネコ間で接触および飛沫感染する
・フェレット間でも接触感染により伝播する
とあり、今回の情報の結論は、新たなインフルエンザ、あるいは鳥インフルエンザウィルスがネコを介して、人あるいは他の哺乳動物に伝播する可能性があることを示しているということかと思います。
これらを総じて、改めて藤井院長に話を訊いてみると
・昨冬(2016年)、ニューヨーク市の動物保護シェルターのネコ500匹以上がインフルエンザにかかり、治療にあたった獣医師が感染して軽い症状が出たものは鳥インフルエンザウィルスが、猫の鼻や気管、肺で増えるように変化したもの。
・獣医師に感染した問題は、シェルターの中でインフルエンザ感染の空気の中で生活をしていたので起こったことで、通常の猫から感染したわけではなく、特に日本では、今、鳥インフルエンザが流行っていない状況で、心配しすぎる必要はない。
・ただし、鳥インフルエンザが猫にうつって、猫で広まったということは、インフルエンザの形はすでに猫のインフルエンザへと変化しているのではないかと感じる。
・また猫がそのインフルエンザウィルスをもって日本に輸入された場合は、猫インフルエンザが流行る可能性は十分あり、それによって人が感染する可能性はある。
ということでした。猫インフルエンザの件は、引き続き情報が更新された際に、このブログでも取り上げていきたいと思います。よろしくお願いします。