子宮蓄膿症

子宮蓄膿症

犬種:チワワ 年齢:10歳 性別:雌

症状

2~3日前から元気がなく、食欲も落ちてきているとのことでご来院されました。

検査

身体検査

身体検査では乳腺にわずかな張りが認められ、触診で腹部の張りと腹痛が認められました。

血液検査

身体の炎症を示す項目である白血球数とCRPの値の著しい上昇が認められました。また赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値が低く貧血の併発も認められました。

超音波検査

正常な子宮は超音波検査上ではっきりとうつることはありませんが、本症例では子宮に液体が貯留し、膨らんでいる所見が認められました。また少量の腹水も認められました。

血液検査で体内の強い炎症が認められたことと、超音波検査で子宮内に液体貯留が認められたことから子宮蓄膿症と診断し、その日のうちに手術を行うことになりました。子宮蓄膿症は発情期後、免疫機能が低下している時に子宮内で細菌感染が起こることで膿が溜まる病気です。近年、若い年齢で避妊手術をする犬が増えたため、子宮蓄膿症の症例数は少なくなってきていますが、発症した場合は抗生剤を投与し手術で子宮と卵巣を摘出する治療を行います。

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処置(子宮·卵巣摘出術)

全身麻酔後、開腹し腹腔内の状態の確認を行ったところ、子宮は液体貯留により拡張しており、その周囲には少量の腹水が認められました。子宮と卵巣は周囲の血管を止血し、摘出しました。

摘出した子宮内には大量の膿が認められたため、細菌培養検査に提出して抗生剤の選択を行いました。術後は順調に回復し、食欲もでてご飯もよく食べてくれるようになりました。術後2日で退院し、1週間後の血液検査では白血球数が減少し、貧血の数値にも改善が認められたため、通院終了となりました。

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摘出した子宮と卵巣

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