総胆管不完全閉塞による肝障害の症例
総胆管不完全閉塞による肝障害の症例
猫 雑種 10歳 オス
症状
⾷べる量が少なくなり痩せてきた
1週間ほど毎⽇嘔吐している
検査
⾎液検査
肝臓酵素(GPT)の著しい上昇、軽度の⻩疸、炎症反応(SAA)の上昇を認めた
超⾳波検査
胆嚢内にはボール状に塊になった胆泥を認める
総胆管内にも⼩さな塊状の胆泥が確認される
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ボール状の塊の胆泥
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総胆管内にも胆泥の塊が観察される
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総胆管⼗⼆指腸の開⼝部付近に認められた胆泥の塊
⼀般⾝体所⾒、レントゲンや超⾳波検査にて胆道以外には特別な異常を確認できないため、胆泥による総胆管の不完全閉塞が原因となって肝臓障害を起こしている可能性を疑った。
⼿術
まず、原因を明らかにする⽬的で開腹を⾏った。
総胆管の⼗⼆指腸開⼝部付近には触診で固く触れる胆泥が確認され、総胆管の拡張が観察された。
胆嚢内のボール状の塊のように観察された胆泥は固く触知された。
これらの所⾒と⾎液検査結果、臨床症状からは胆嚢内容物(⽯灰化はしていないものの、胆⽯の予備軍と考えらえる)による総胆管の不完全閉塞が原因と考えられた。
胆嚢内容物を⼀掃し総胆管を開通させ症状を改善しても、再び胆嚢内容物が塊になれば同様の症状を繰り返すと考えられため、胆嚢と⼗⼆指腸を吻合する⼿術を実施した。
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総胆管⼗⼆指腸の開⼝部付近に認められた胆泥の閉塞
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⼗⼆指腸と胆嚢を吻合
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⼗⼆指腸と胆嚢を吻合
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胆嚢内の内容物(指で強く押すと崩れる)
術後
⼿術3⽇後には肝臓数値や⻩疸数値は低下傾向となり、5⽇⽬には退院とした
退院後は⾷欲の改善も認められ、現在定期的な⾎液検査を⾏いながら術後経過を観察中
体質改善として、利胆剤の使⽤は継続することとした
お問い合わせ先
藤井動物病院(日曜日休診)
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