腫瘍の早期発見の方法
50%の腫瘍は飼い主様が発見できる
犬と猫の腫瘍発生部位をみると、目に見える場所、触れる場所にできるものが半分以上です。腫瘍は、日頃の生活の中で、見える部位を観察すること、良く触ることで早期発見することができます。
皮膚の腫瘍
特徴
- 高齢化した犬に多い
- 猫は犬ほど多くない
- 犬は良性の腫瘍が多い
- 猫は悪性の腫瘍が多い
発見後の対処
- 第一選択として外科手術
乳腺の腫瘍
特徴
- 犬は50%近くががん
- 猫は85%ががん
発見後の対処
- 第一選択として外科手術
- その後、化学療法や免疫療法など
- 特に6〜12ヶ月齢迄の避妊手術で発生率を極端に下げることができる。
口の腫瘍
歯磨きをしている飼い主様は、しこりに早く気づきやすい
特徴
- 犬に良く見られる
- 猫では時々見られる
- 進行が早く、悪性の腫瘍が多い
- 特に歯茎にでき、出血、口の臭さ、食べ方の異常で気がつく
発見後の対処
- 治療を直ちに開始
- 積極的な治療が必要
- 第一選択として外科手術
- その後、化学療法、免疫療法など
リンパ節の腫瘍
特徴
- 犬猫どちらにも多く見られる
- 腫れているリンパ節は1つだけの時あり
- 体中のリンパ節が腫れている時もあり
- 臓器に浸潤している時もある
- 他の部位の腫瘍転移である時がある
発見後の対処
- 抗がん剤などの化学療法
- 免疫療法
睾丸の腫瘍
去勢手術が予防になる
特徴
- 犬には頻発
- 猫はほとんどみない
- 腫れは片側が多い
- 犬では良性が多いが、転移する腫瘍あり
- 腫瘍からホルモンが分泌され、ホルモンに関連した症状がでることがある
- 腫れ以外の症状が出ないこともあり
発見後の対処
- 去勢手術
発見しにくい内部の腫瘍は定期健診で早期発見
腎臓、肝臓、膀胱などの腹腔内の腫瘍や血液の腫瘍は、日頃の生活ではわからないものです。これらは定期健診をすることで早期発見が可能となります。
外から発見できない内部の腫瘍
- 腹腔内の腫瘍(肝臓の腫瘍、腎臓の腫瘍、脾臓の腫瘍、膀胱の腫瘍、消化管の腫瘍そして腹腔内のリンパ節の腫れなど)
- 血液の腫瘍(白血球の腫瘍、骨髄の腫瘍など)
腹腔内腫瘍
お腹の腫瘍で、自宅での発見は困難。早期発見法は獣医師の診察・触診、定期健診です。
特徴
- 体重の減少、お腹の張り(初期症状)
- 進行するまで気づかないことあり
発見後の対処
- 第一選択は外科
- 化学療法、免疫療法
その他症状から発見されることが多い腫瘍
骨の腫瘍や鼻腔内の腫瘍は定期健診でも見つかりにくいものです。これらは症状が出た際の早めの受診、検査を経て発見されることが多いです。
骨の腫瘍
- とても治りにくい腫瘍の一つ
- 痛みを伴い歩き方がおかしいときは、早めの検査が必要
特徴
- ほとんどが大型犬
- 猫は稀に起こる
- 前足は肩、手首に近い所
- 後ろ足は膝に近い所
- (どこにでも起こる可能性あり)
- 痛みあり、びっこを引き、腫れる
発見後の対処
- 摘出手術ができる場所は手術
- 化学療法、放射線療法、免疫療法など
鼻(鼻腔内)の腫瘍
- とても治りにくい腫瘍の一つ
特徴
- 犬も猫同じ頻度で起こる
- 鼻出血、呼吸の異常、いびき
- 顔が腫れる症状
発見後の対処
- 摘出できる腫瘍は、外科的切除か腫瘍の減量
- 化学療法、放射線療法、免疫療法