麻酔・疼痛管理科

麻酔・疼痛管理は手術の基本

当院では、手術の基本である麻酔・疼痛管理に特に力を入れています。
麻酔というのは意図的に意識を失わせる危険な行為です。人医療では麻酔科が存在するように、麻酔を行うにあたって、どのように麻酔をコントロールすべきかは深く研究がなされています。動物医療では「犬・猫は痛みに強い」という迷信のような考え方が一部では存在していますが、当然ながら痛みは可能な限り少なくコントロールすべきであるというのが当院の基本的なスタンスです。

外科手術ではもちろんのこと、歯科治療でも麻酔を伴うことがあり、麻酔・疼痛管理は手術の基本であり、重要事項であると位置付けています。

麻酔による死亡事故はゼロ

飼い主様の皆さんから「麻酔が怖い」という言葉を耳にしますが、当院では麻酔による死亡事故はありません。術前の検査と手術中のモニターがしっかりしていれば、現在の麻酔はとても安全なものです。そして高齢動物にも麻酔をして問題なく手術ができています。

当院では、かつて犬にとっての死の病であった、フィラリア症と戦うために1960年代には既に吸入麻酔を導入し、開胸し開心手術を行っていました。この頃から専用の手術室と吸入麻酔器を設置し、1980年代には自動式人工呼吸器の導入を行い、呼吸停止時にも機械的に吸入麻酔を管理できるようになりました。

現在では、3台の吸入麻酔器と3台の人工呼吸器そして、4台の生体モニター(心電図、呼吸、体温、血圧、酸素飽和度、麻酔濃度などをモニターします)で麻酔を管理しています。

疼痛管理についても、術前からの消炎鎮痛剤の使用やさらに強い疼痛には麻薬鎮痛剤の使用を行って、動物たちにより負担の少ない手術や処置が行えるようになっております。

全身麻酔装置のご紹介

当院には、ドイツのドレーゲル社の全身麻酔装置Drager Fabius Trioを配置しています。
この装置は以下のメリットがあります。

  • 機械が動物の換気量や呼吸回数などを的確に感知する
  • 一定の圧による自動換気を行うことができる
  • 低流量麻酔のためのシステム配慮
  • これらにより適切な深度の麻酔を安定して供給することが可能
  • 万が一医療ガスが途絶えた緊急時でも一定時間の自動換気を続けることできる

以上のことから、非常に安全面に配慮された最新医療の麻酔装置と考え、導入しています。

この麻酔器は人間でも多く使われています。以前、天皇陛下が心臓の手術を受けた時の麻酔器もこちらのものです。

ここからは補足情報ですが、ドイツのドレーゲル社のウェブサイトをみれば、同社は、今から130年近く前の1889年に創設された、医療および安全技術の分野で世界をリードする国際企業で、世界中に13,000人以上のスタッフ、世界190カ国以上に拠点、50カ国以上に販売およびサービス組織を保有していると明記されています。

医療機器は、お金さえ出せばどこの病院でも導入できますが、大事なのは、その導入する目的と理由です。当院では、ソフト面とハード面を両方充実させ、より安全な麻酔を実現してまいります。

全身麻酔装置のご紹介

飼い主様へのメッセージ

当院では、数多くの外科手術を実施しますが、それに伴い、全身麻酔、局所麻酔を駆使して、動物の恐怖心や痛みを取り除いた状態で手術、各種処置を行います。同時に手術後や緩和ケアには疼痛の管理はとても重要です。消炎鎮痛剤から麻薬まで、症状や状態に合わせて使用し、動物の苦痛を取り除いています。たとえ小さな手術や処置でも、痛みを伴い処置されて、術後に痛がるようでは、犬は痛みと恐怖心で大変なストレスがかかってしまいます。是非ご相談を。

飼い主様へのメッセージ

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