研修・学会・論文関係

2013年10月27日

腫瘍外科セミナー第3回:消化器<胃・小腸・大腸>

腫瘍外科セミナー
第3回:消化器<胃・小腸・大腸>に出席しました。

腫瘍外科セミナーに参加して

6月、8月、10月に渡り、計3回の腫瘍外科の講義に参加して参りました。腫瘍性疾患は、動物の寿命が長くなっている近年において遭遇することの多い病気であり、私達獣医師が取りくむ分野としても最も重要な分野の一つです。

当院では、腫瘍に対する治療にも力を入れており、診断ツールとしてCT撮影装置を設置している他、抗癌剤や免疫療法(活性化リンパ球療法)も積極的に実施 し、多方面から腫瘍疾患と戦える環境を備えております。しかしながら、ほとんどの腫瘍は外科治療なしに根治、緩和はできません。大部分の腫瘍疾患では、外 科手術が第一選択となります。腫瘍を完全に除去できれば完治できるものもあります。悪性度の強い腫瘍であったり、大きくて切除しきれない腫瘍に対しては、 放射線治療や化学療法(抗癌剤)、免疫療法等の併用も選択肢となりますが、原則として手術によりできるだけ多くの病変部を取り除くことが不可欠です。

また、腫瘍外科では、手術後の動物のQOL(生活の質)や、オーナーの要望に沿って実施されることも重要です。腫瘍の切除時には、切除範囲が大きく外貌に大 きな変化がでることや、機能的な損失を来たすケースもあります。その分、腫瘍外科はより計画的に実施され、より高度な技術が必要とされる分野です。

今回のセミナーの内容は口腔内、頭部周囲、消化管の外科についてでした。特に口腔内や消化管の腫瘍は発生率も高く、当院のような1次診療施設において診断し 治療にあたることが多いため、とても勉強になる内容でした。今回得た知識を糧に、皆様が腫瘍の進行に対して抱く不安や、手術に対して感じる不安を少しでも 軽減し、より良い治療、技術を提供できるよう努めて参ります。

獣医師 宇佐美

当院ではこの度動物用CTを導入致しました。これにより腫瘍の微細な転移や、臓器との癒着の有無などの検査が可能となりました。