研修・学会・論文関係
2025年02月17日
白内障手術のセミナーを受講しました
こんにちは、当院の獣医師が白内障手術セミナーを受講しましたのでご報告いたします。
白内障とは目の水晶体が白濁した状態であり、視覚障害を起こす疾患です。
遺伝的な要因で若齢で発症するもの、糖尿病に併発するもの、高齢になり発症するものなど様々あり進行速度はそれぞれ異なります。
犬はもともと人間ほどクリアな見え方ではありませんが、それでも目が見えにくくなることによって生活の質を下げてしまうと考えられます。また、白内障が進行すると続発して生じる緑内障や網膜剥離が生じ、永久的な視覚喪失や強い痛みが問題となるケースも多いです。視覚温存のみならず、二次的な合併症の予防や治療として、進行した白内障は手術を実施することが好ましいと考えられています。
今回のセミナーでは白内障の手術手技、また、手術適用症例の選択、手術時の注意点などを学びました。講義だけではなく、実際の実習も通して目の水晶体へのアプローチや、白濁してしまった内部構造の破砕・吸引、眼内レンズの挿入、角膜の縫合などを実際に行いました。
目の手術はとても細かい作業を要するために顕微鏡を用いて行います。最初は距離感を掴むのが難しいと感じましたが今回は実習時間も多く確保されていたので最終的には角膜切開からレンズへのアプローチ、レンズ内容の破砕・吸引、レンズ挿入まで比較的スムーズに行うことができました。
特殊な機械も必要かつ、技術的な鍛錬も必要ですが今後当院でも白内障の犬が痛みに悩まされることなく長期的に視覚を維持してより快適な生活を送ることができるようサポートできる体制を整えていきたいと考えています。
獣医師
宇佐美、宮本