研修・学会・論文関係
2016年09月13日
心臓エコーセミナー実習 2016.9.13
2016年9月13日に第6回目の心臓エコーセミナー実習を受講させていただきました。今回のテーマは、猫の血栓症です。
血栓症は、心不全によって心臓内の血流が停滞することにより、心臓内で血の塊が形成され、それが大動脈を通って、身体の様々な部位に詰まることによって引き起こされます。
この血栓は詰まった血管の場所に重大な機能障害と組織壊死を引き起こします。例えば、脳に詰まると脳梗塞、心臓の血管につまると心筋梗塞などになりますが、猫の場合、多くのケースで詰まるのは前肢や後肢の血管です。
血管が詰まってしまうと、そこから先に血液がいかなくなってしまうため、組織に栄養が届かず、壊死を引き起こします。かなり強い痛みを伴うことも多く、また約半数の猫が亡くなってしまう致死率の高い恐い病態です。
今回の実習では、心臓の中でも、血栓のできやすい場所や詰まりやすい場所の観察を行いました。
全6回の実習を通して、様々な超音波診断技術を学ぶことができました。しかし、これで終わりではなく、復習や実践経験をつむことにより更に診断技術を磨いていく必要があります。
動物にとって、負担が少なくなるように、素早く正確な検査を心がけて、これからも日々研鑽していきたいと思います。