Fujii Times(ブログ)
2019年08月16日
総務スタッフです。みなさんもご存知のとおり、1945年(昭和20年)8月15日は、太平洋戦争が終わった日です。この年は先代の院長、藤井勇(現院長の父)が高校に入学した年であり、当院の30年誌には、「私の生いたち」という題目で戦争についての記載があります。
(昭和20年は)「戦いに勝つ為に国民総力をあげた年であり、当然若い力はかり出されて、農耕作業、暗渠(あんきょ)排水講じの労働の毎日が学生生活の全てでした」
「入学初めての夏休み、昭和20年8月15日終戦の報が天皇陛下かの肉声でラジオから流れました。突如、全く目標を失って、国民の誰もが敗戦国の未来を予測することの出来よう筈もなく、不安とあせりでウロウロするというのが実際でした」
先代の院長の言葉から、突如、訪れた戦後について、不安と困惑な気持ちがわかります。
ただ、少しずつ気持ちを前に向けることが出来ていたようで、
(その不安な気持ちを)「陸上競技にぶつけ、記録に挑み、当時としては短距離の記録保持者」だったとも書かれています。
不安と希望が交錯するなか、少しずつ平和な日常が戻ってくる、そんな光景が浮かび上がってきます。
その後、先代の院長は、進路決定を迎えた際、「小学4年の頃、5−6頭の愛犬が次々に病にたおれた悲しい思い出」がよみがえってきて、獣医師をめざすのですが、その頃は戦後の混乱期。混沌たる社会での学費と生活費を生み出すのが大変だったようです。
教育制度もまだまだ整ってない中、大変、苦労したようですが、日本で初の獣医師国家試験に受験、合格。その後、さらに新制大学4年次に編入、卒業しています。
それらの過程を経て、藤井動物病院は終戦9年後、1954年(昭和29年)の9月に藤井勇が開院しました。
数えれば、本年で65年目を迎えます。
開院の頃とは、全く違う環境ではありますし、現在の院長を中心として獣医師、動物看護師、スタッフがさらに発展させている当院ですが、流れるDNAは確実に受け継がれています。過去に敬意を表しながらも、明日に向けて、身を引き締めて精進して参りたいと思います。