Fujii Times(ブログ)

2016年08月23日

農学部出身で就職、転職を考えている方へ

当病院では、農学部出身の方、転職を考えている方を募集しています。

●職種
クライアントコミュニケーター

●仕事内容
・獣医師と飼い主との、コミュニケーターとしての役割。
・獣医師の考えを理解し、サポートする役割。

● この仕事が必要とされる背景
・小動物の高齢化などを背景とした獣医学の高度医療化
・ 上記に伴う、論理的思考と実践のさらなる必要性

動物は言葉を話しません。当院の獣医師は、その動物と対峙し、200箇所以上の触診などを通じ、適切な判断をし、治療にあたります。その治療までの思考プロセス「SOAP」を重要視しています。

SOAPでは、主観的データ(S)と、客観的データ(O)から問題を列挙し、推測される類症鑑別の過程を経ます。この段階で、最も大事なことは、確度の高い仮説を生み、真の「問題発見」「問題解決」につなげられるかどうかです。

SOAPを掲げていても、最初の仮説が甘く、真の問題発見に至らないケースが多く見受けられます。

例えば、「とりあえずの検査」というものがあります。これは、スタートの段階で問題が推挙できておらず、類症鑑別もできていないため生まれるものです。とりあえずの検査は、無駄な時間であり、時によってはその時間が動物の生死に関わる場合があります。

そうならないためには、スタート段階での思考が重要です。その考え方、プロセスを理解し、獣医師のサポートができる人材が当院では必要なのです。

●なぜ農学部なのか。
・ 農学部獣医学科を代表するように、獣医学との関わりがあること
・ 農学部で学ぶ、問題解決に向けた様々な視点やアプローチが役に立つこと

が挙げられます。先に書いたように、「思考」が大事です。この思考の仕方が間違っていれば、全てその後のことが間違いに繋がってしまいます。

思考は技術です。偶然、身につくものではなく、訓練されて身につけていくものです。農学部の皆さんは、その基本的な考え方を大学で学んできていることかと思います。そこに期待をし、今回、募集となりました。

● どんな人材が求められるのか。
大学時代に、研究に没頭した人、獣医師をめざした人はもちろんのこと、
探究心が強い人。物事の「なぜ?」を深く考え、行動、実践に結びつけられる人が良いです。

● 当病院が適している理由
当病院の思考や技術は、これまで100近くの学会発表に象徴されます。学会発表とは、オリジナルだということです。既存の概念にとらわれることなく、常に新しい、動物のためになる医療技術を生み出してきています。

先代の院長は、フィラリアの感染症の病態の一つである「後大静脈塞栓症の発見」と手術手技の発明である「頸静脈吊り出し方」を考案し、今では世界標準の手術になっております。

現院長になってからも、数々の学会発表を実施し、2013年には犬の膝の手術が、獣医界で最も権威のあるアメリカの外科専門医の雑誌に掲載され新たな手術方法の開発が認められました。

我々は、これからも最先端の技術を考え、実践し、小動物のための医療を考えていきます。それをみなさんと一緒に実践していきたいと考えています。

● 当病院で身につくこと
・ 動物医療の最先端の思考や技術。
・ 上記を通じての論理的思考と問題発見能力

当病院には、それを身につける環境が整っていると確信しています。ただし、これらは単に与えられるものではなく、日頃の業務を通じて得ることができるものであり、本人の努力が必要なのは言うまでもありません。

問題発見能力というのは、獣医学だけではなく、この世の中を生き抜いていく上で重要なことと言われています。正しく問題が発見できなければ、その後の問題解決は意味をなしません。その思考やプロセスを身につけることは、今後、将来を生きていく上で、必ず役に立つものと考えています。