Fujii Times(ブログ)
2016年05月13日
昨年(2015年)の7月の話になりますが、一般社団法人 日本動物看護職協会 JVNA前会長・現監事の太田光明先生と、動物看護師・動物看護学生のための「楽しく学べる動物看護 改訂第2版」の監修をいたしました。
この本は、過去約10年の各団体の試験や、2012年から実施されている動物看護師統一認定試験の出題内容をもとに、認定動物看護師になるための重要キーワードを中心に解説したものです。
認定動物看護師をめざす学生だけでなく、臨床現場で既に活躍されている動物看護師のみなさんにも役立つ内容で、多くの学校や現場でも既に利用されています。
ペットの高齢化、動物医療の高度化・多様化にともない、動物看護師は、質の向上が求められています。動物看護師認定制度は、その一環として始まったもので、2016年5月9日現在、15,412名の認定看護師がいます。
動物看護師は、単なる獣医師の助手としてだけではなく、動物にとって、また飼い主さんにとって、心身の健康を取り戻すための直接手助けできる存在でなくてはなりません。
そのためには、動物医療の全体がわかり、専門的な知識が求められます。もちろん知識だけではなく、現場での実践、経験を積まないといけないのは言うまでもありませんが、その行動の基本となる知識が大切です。
この本はその必要な知識をわかりやすく、まとめたものです。それらの内容は、単なる学問としてだけの知識ではなく、「動物看護記録」「看護過程の充実」「応用動物看護学」など、今後、現場でさらに必要となることがまとめられています。当院でも行動の基本としているSOAPの考え方、コミュニケーションの重要性なども述べられています。
今後、動物医療はますます高度、多様化、発展していきます。将来的には本書に書かれていない専門的な知識や実践も必要となってくることでしょう。そのためには、単に資格取得して終わりではなく、常に成長、アップデートしていく必要があります。そのきっかけとして本書が役に立つことを切に願っています。