内科の治療症例紹介

CASE 1 ゴムボール誤食

MIX 1歳 去勢オス

症状

ゴムボールを誤食して、夜間病院で胃切開するしかないと言われ来院されました。一般状態は問題なく、バイタルは安定していました。

検査

血液検査

数値の異常は認められませんでした。

腹部レントゲン検査

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5.2cm×5cmの構造物が認められました。

手術(内視鏡下異物除去)

全身麻酔下にて口から内視鏡のスコープを挿入しました。ボールのサイズは大きく、通常の内視鏡異物鉗子での摘出は不可能と判断しました。通常は内視鏡での摘出が不可能な場合は胃切開を行う必要がありますが、開腹を行うことは動物にとって負担となり、術後に入院をする必要がありますので、特殊な大型の経食道異物鉗子での摘出を試みました。まず、食道を損傷しないように内視鏡のカメラで鉗子の先端を確認しながら、体勢を調整して食道から胃までを直線状態に維持し、胃内に鉗子を誘導しました。内視鏡で確認しながらボールを把持し、摘出しました。

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胃内に認められたボール

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経食道異物鉗子でボールをつかんでいる所

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写真上:異物の大きさに開いたノギス
中:通常の内視鏡異物鉗子(4mm)
下:大型の経食道異物鉗子(40mm)

手術後

この症例では開腹手術を行わずに口から異物を取り除くことができたので、胃や食道粘膜の保護のための薬を処方し、当日退院となりました。

CASE 2 ゴムボール誤食

フレンチブルドック 1歳 去勢オス

症状

1時間前にゴムボールを誤食したとのことで来院。一般状態は問題なく、バイタルは安定していました。

検査

血液検査

数値は問題ありませんでした。

腹部レントゲン検査

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胃内に5.3cm×6.5cm大のボールの陰影が確認されました。

手術(内視鏡下異物除去)

全身麻酔下にて口から内視鏡のスコープを挿入しました。ボールのサイズが大きく、通常の内視鏡異物鉗子での摘出は不可能です。本来であれば胃切開を行う状況ですが、特殊な経食道異物鉗子が当院にはありますので、これを使用して手術をせずに口からにボールを摘出することに成功しました。この方法では、食道を損傷しないように内視鏡のカメラで鉗子の先端を確認しながら、体勢を調整して食道、胃を直線状態に維持する技術が必要となります。

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胃内に認められたボール

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経食道異物鉗子でボールを掴んでいる所

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写真上:異物の大きさに開いたノギス
中:通常の内視鏡異物鉗子
下:経食道異物鉗子

手術後

通常胃切開の手術を行って摘出した場合は、入院管理をして一日絶食で経過を見る必要がありますが、この症例では開腹手術を行わずに口から異物を取り除くことができたので、胃や食道粘膜の保護のための薬を処方し、当日退院となりました。

お問い合わせ先

藤井動物病院(日曜日休診)

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