犬のめまい 前庭疾患

犬のめまい 前庭疾患

愛犬の体がふらついたり、よろよろしたり、首を一方へ傾けるような姿勢のままだったりすることはありませんか。それは、もしかしたら前庭疾患の症状かもしれません。

私たちが三半規管によって身体の正確な位置情報を伝えてバランスをとっているように、犬もまた三半規管によって身体や頭の正しい位置情報を脳に伝達して体の平衡感覚を保っています。

犬の耳の奥には、「内耳」があります。内耳はカタツムリのような形をした蝸牛(かぎゅう)と焼き菓子のプレッツェルのような形をした三半規管が骨の中におさまっています。

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三半規管には、前庭神経がつながっています。前庭神経は、平衡感覚をつかさどる神経で、異常が起きるとワンちゃんはバランスが保てなくなります。

前庭疾患により、平衡感覚を損なうことで起こるめまいやふらつき、また、まっすぐ歩けなくなる、嘔吐や首が片方に傾き、ねじれて見える捻転斜頸や、眼球が回る眼振の症状が出てきます。

この症状は、突発的に起こることも多く「突発性前庭疾患」(特発性前庭疾患)、特に中・高齢犬(シニア犬)はこの疾患を起こしやすいと言われています。

前庭疾患は主に、外耳炎、中耳炎、内耳炎や耳の中の腫瘍などが原因で内耳での炎症が、前庭神経に波及することで発症しますが、原因は様々です。病気の特定には、診察や検査で、急性内耳炎や、脳や耳の他の疾患、前庭疾患の症状以外の神経症状を除外するなどが必要です。

この特発性前庭疾患は、昔、外飼いが多かった時代は冬によく起こる病気だったようです。寒くて、神経系の血行障害やストレスが原因だったようですが、現在は温度管理ができた環境下で飼っているケースが多いので、寒いからこの病気になるということは少なくなっているといいます。ただ寿命が延びた分、様々な犬種にどの季節でも起こりうる疾患です。

繰り返しになりますが、平衡感覚、バランスを失っためまいは大変つらいものです。愛犬に気になる症状がある方、ご心配な方は当院の獣医師にご相談いただきたいと思います。

飼い主様へのメッセージ

犬のめまいは、耳の中耳、内耳の疾患、前庭という機関の疾患、さらに脳の疾患でも起こります。この症状は緊急を伴うことが多いため早めに診断を下すことが大切です。通常の診察から、CT検査、などを含め早期診断をすることで、治療を早期にすることが大切です。

飼い主様へのメッセージ

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