Fujii Times(ブログ)

2018年12月26日

臨床系の獣医師になりたい方へ

総務スタッフです。今日は獣医師の採用の話を少し書きたいと思います。当院の採用は、(小)動物病院の臨床獣医師となりますが、もちろん獣医大学を卒業、獣医師の国家資格を持った方が対象となります。

先日、採用の件で院長とも話をしていたのですが、最近は臨床系に進むことを勧めていない大学さんも多いことを耳にします。カリキュラム自体も以前よりは多岐に渡り、多角化・総合化に進んでいる傾向が感じられます。特に基礎研究など学術的なことに力が入っているように思います。

それ自体が悪いことではありません。獣医学を学び活躍できる分野が広がっていること、また就職先や将来が多様になっていることは、獣医学それ自体が社会において必要とされているとも言えます。

ただ、一方でそれらの傾向が、動物の診療や治療を学ぶ臨床系への希望者を少なくしているとすれば、少し寂しい気がします。それは臨床系の獣医師のやりがいや良さが十分に伝わっていないのではないかと思うからです。

動物病院の臨床系の獣医師をめざす方にとって、よく誤解されているのが「動物病院は飽和している。獣医師が多すぎて競争が厳しい」ということです。

誤解と書きましたが、獣医師の数や動物病院の数だけ、その表面を捉えれば先の意味は正当化されます。ただ、それはあまりにも表面のことしか捉えていないと感じます。

以前もこのブログに書きましたが、小動物自体、獣医学の進歩などにより、長生きする動物が増えています。また種類も多く、以前よりは様々な医療が求められています。

また、開業獣医師自体も年齢が高くなっているため、獣医師の若返りなど単に動物病院の数や動物の数、現在の獣医師数だけでは測ることができない臨床系の獣医師需要があります。

私たちの市場調査によれば、とある地域では、若い世代が動物を飼う率が高くなっており、そのような所では新たな動物病院需要があります。

また今後の家族背景を考えても、さらに単独世帯が増え、生涯の欠かせないパートナーとして小動物を飼う方も増えていくでしょう。近年、マンションでも動物が飼える所が増えていますし、今までには、表に出てこなかった臨床系の獣医師の潜在需要は高まっていると考えられます。

「動物は家族」。ますますその考えは現実となるでしょう。そんな家族の一員を診療する。治療して病気を治す。数年後には自分の動物病院を開業し、地域の皆さんに貢献する。臨床系の獣医師には、やりがいと未来があります。獣医学生さんは、ぜひ、臨床系の獣医師をめざして欲しいです。

このことはとても大切なことなので、続きも近日中に書きたいと思います。

2018年、1年間、当ブログを読んでくださって、ありがとうございました。2019年もよろしくお願いいたします。