Fujii Times(ブログ)

2018年07月16日

動物看護師のやりがい

総務スタッフです。先週は動物看護師向けの就職フェアでした。暑い中、お集まりいただいた皆様、ありがとうございました。大勢の学生さんと直接、話をすることができて、とても良かったです。

また、院長からの獣医療や動物看護師としての話だけでなく「一人の人として将来設計を考えることがどれだけ重要なのか」ということや、先輩動物看護師からの生の声は、動物看護師を目指すみなさんにとって、とても参考になる話だったのではないかと感じています。

当日は、途切れなく学生さんが座ってくれ、あまり時間がなかったのですが、私は、合間を見て当院から参加した動物看護師と話をしていました。そこで改めて気がつくことがあったので、ここに書きたいと思います。

主に話をしていた内容は「動物看護師のやりがいは何であるのか?」ということです。あくまでも当院の一人の動物看護師の意見でありますが、私自身とても共感できる所がありました。

そのやりがいをひと言でいえば「動物看護師として獣医師と共に一緒に診察に入り、診察・診療後リリースを書くことで飼い主さんの役に立てること。そしてその実感があること」と話してくれました。

みなさんもご存知のように、獣医師法には「獣医師でなければ、飼育動物の診療を業務としてはならない」と定められています。現在は、動物看護師の存在価値も高まり、動物看護師認定試験も整備されましたが、動物看護師が診療を業務にはできません。

それゆえ、動物看護師の仕事は限られてきます。また同じ動物看護師という職域もそれぞれの動物病院によって違うのが現状です。
そのような背景がある中、当院は診察後、リリースと呼ばれるものを飼い主さんへ手渡しします。リリースとは、獣医師が診察した内容をまとめたものですが、これを診察毎に書くのが動物看護師の大切な役割の一つです。

なぜ、リリースが大切なのか?それは、飼い主さんにとって診察中にその内容を100%理解することが難しい場合もあるからです。さらには、自宅に戻ってから病院に来ていない家族に説明するのはもっと困難になります。

その点、診察内容がまとまっているリリースがあれば、それを振り返ることもできます。またその内容を見て、疑問点など獣医師や動物看護師に確認することができます。家に戻ってからやって欲しいことも理解することができます。

このリリースを書くことは容易ではありません。まず獣医師の診察・診療内容を理解していないといけません。また、誰が見てもわかりやすいように、簡潔に要点をまとめなくてはなりません。書く時間も限られています。リリースを書くには様々な経験、技術が必要なのです。

訊く所によると最初はリリースを書くのは大変で戸惑うことも多かったようですが、これが書くことができるということは「獣医師との連携」もスムーズであり、動物看護師として「飼い主さんに頼られる」ことに繋がり、その経験の蓄積が信頼に繋がります。

リリースを通じて、飼い主さんに役に立てている。獣医師に役に立てている。それが動物のためにもなっている。それがやりがいに繋がっている。当院の動物看護師と話をして改めてそのことが感じられました。

他にも動物看護師のやりがいはありますが、リリースという日常業務が動物看護師としてのやりがいに繋がっていることが良いなあと思いました。やりがいとは特別なことにあるのではなく、そのきっかけが毎日の業務にある。そう感じられることは幸せなことではないでしょうか。