NEWS
2025年09月19日
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とマダニ予防
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とマダニ予防
~ご家族とペットを守るために~
マダニの活動ピークは春と秋
マダニは一年中生息していますが、特に**春(幼ダニ)と秋(若ダニ)**に吸血活動のピークを迎えます。草むらや公園、庭先など身近な場所にも潜んでおり、散歩中に犬猫が寄生されることがあります。
マダニがもたらす病気
マダニは、動物や人にさまざまな病気を媒介することが知られています。犬猫にとってはバベシア症やヘモプラズマ症などの原因となるほか、人に感染する重大な病気の一つが**重症熱性血小板減少症候群(SFTS)**です。
SFTSはウイルス性の感染症で、高熱や嘔吐、下痢などを引き起こし、重症化すると命に関わることもあります。犬や猫がマダニを介して感染し、その後飼い主にうつるケースも報告されています。
SFTSとは?
SFTSはマダニが媒介するウイルス感染症で、人や犬猫に重い症状を引き起こします。
人では発熱・嘔吐・下痢などが出現し、**致死率は約3割(4人に1人以上が死亡)**と非常に危険な病気です。
神奈川県でも発生!
2025年7月、神奈川県松田町在住の方が県内でマダニに刺されてSFTSに感染した事例が初めて確認されました。
これまで西日本を中心に報告されていたSFTSが、ついに関東でも「地元での感染」が証明された形です。
つまり、私たちの身近な地域でもリスクが現実化しているのです。
野生動物とマダニの関係
- マダニは シカ・イノシシ・タヌキなどの野生動物に寄生し、SFTSウイルスを運びます。
- 感染マダニは人やペットを刺すことでウイルスを広げます。
- 猫はSFTSを発症しやすく、飼い主に感染が伝わった事例もあります。
ペットを守ること=家族を守ること
犬や猫がマダニを連れて帰ってくると、ご家族も感染リスクにさらされます。
だからこそ、ペットの予防が人の予防につながります。
予防のポイント
- 🚨 必ず!毎月1回のマダニ予防薬を投与することが最も重要です
- 草むら・やぶに入らせない
- 散歩後に体をチェック
- 庭やベランダの雑草管理
- 必要に応じて犬猫用の忌避効果のある首輪やスプレーを併用
🐾 飼い主さんへのお願い
人用の虫よけ(ディート入り)は犬猫に使わないで!
❌ 人用の虫よけは危険です
- ディート(DEET)は人では広く使われますが、犬猫の安全性は確立されていません。
- 舐めてしまうと 嘔吐・ふらつき・けいれん などの中毒を起こすことがあります。
- 猫は特に代謝ができず、ごく少量でも重い中毒を起こす可能性があります。