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2024年06月06日
犬猫のワクチンのガイドラインを更新しているWSAVA(世界小動物獣医師会)での2024年のガイドラインが発表されましたので、要約を載せます。当院もこれまで通りこのガイドラインに沿って、基本的に犬猫のコアワクチンは3年に1回のスケジュールで接種していきたいと思います。また猫のワクチン接種部位関連肉腫(FISS)についてのガイドラインも同時に載せました。読んでください。
犬のワクチン接種スケジュール
コアワクチン
犬ジステンパーウイルス(CDV)、犬アデノウイルス1型(CAV)、犬パルボウイルス2型(CPV)
開始年齢: 6〜8週齢
接種間隔: 2〜4週間ごとに16週齢まで
重要な接種: 16週齢以上での接種が最も重要
追加接種: 26週齢での追加接種、または血清学的検査により抗体の存在を確認
成犬は、コアワクチンの接種を必要以上に頻繁に行うべきではありません。多くの現代の生ワクチン(MLV)は長期間の免疫を提供するため、成犬には3年以上の免疫持続期間があります。
ノンコアワクチン
レプトスピラ症ワクチン
初回接種: 8週齢から開始可能。製品の説明書に従う
接種間隔: 2〜4週間ごとに2回接種
追加接種: 毎年
犬パラインフルエンザウイルス(CPiV)ワクチン
初回接種: 6週齢から開始可能
接種間隔: 2〜4週間ごとに16週齢まで
追加接種: 毎年
猫のワクチン接種スケジュール
コアワクチン
猫パルボウイルス(FPV)、猫カリシウイルス(FCV)、猫ヘルペスウイルス1型(FHV)
開始年齢: 6〜8週齢
接種間隔: 2〜4週間ごとに16週齢まで
重要な接種: 16週齢以上での接種が最も重要
追加接種: 26週齢での追加接種、または血清学的検査により抗体の存在を確認
成猫は、コアワクチンの接種を必要以上に頻繁に行うべきではありません。多くの現代の生ワクチン(MLV)は長期間の免疫を提供するため、成猫には3年以上の免疫持続期間があります。
ノンコアワクチン
猫白血病ウイルス(FeLV)ワクチン
初回接種: 8週齢から開始可能。製品の説明書に従う
接種間隔: 2〜4週間ごとに2回接種
追加接種: 毎年。特に屋外に出る猫やFeLV感染のリスクがある猫に推奨
猫のワクチン接種部位関連肉腫(FISS)について
背景: FISSは、ワクチンや他の注射製品が原因で発生する肉腫で、特にアジュバント入りの猫白血病ウイルス(FeLV)および狂犬病ワクチンと関連があります。
推奨される接種部位:
従来の肩甲骨間への注射は推奨されず、後肢や尾、肩筋上部が推奨されます。これにより、腫瘍が発生した場合に早期発見および治療が可能となります。
注射の際には、使用されたワクチンおよび注射部位を詳細に記録することが推奨されます。
3-2-1ルール:
3か月: 接種後3か月以上経過しても腫瘤が残っている場合。
2 cm: 腫瘤が直径2 cm以上である場合。
1か月: 接種後1か月以内に腫瘤が増大し続ける場合。
これらの基準を満たす場合、腫瘤は生検を受けるべきです。生検は切除生検ではなく、診断生検が推奨されます。FISSが診断された場合、腫瘍の外科的切除は徹底的かつ広範な手術が必要です。
2024WSAVAガイドライン
https://wsava.org/wp-content/uploads/2024/04/WSAVA-Vaccination-guidelines-2024.pdf