研修・学会・論文関係

2016年07月12日

心臓エコーセミナー実習 2016.7.10

2016年7月10日に第3回目の心臓エコーセミナー実習を受講させていただきました。今回のテーマは僧帽弁閉鎖不全です。

僧帽弁閉鎖不全は高齢犬においてよく認められる疾患のひとつで、日常の診察でもよく遭遇します。僧帽弁とは心臓の部屋を分けている弁の名前で、通常は、この弁構造があるために心臓内の血流は常に一方向にしか流れない仕組みになっています。しかし、加齢に伴って弁がゆるんでくることにより、心臓内で血液の逆流が発生します。初期の段階では無症状ですが、進行とともに、咳や呼吸状態の悪化などかみられるようになってきます。

診断自体は聴診やレントゲン検査、超音波検査を行うことで、比較的容易に行うことができますが、重要なのは重症度評価です。僧帽弁閉鎖不全と診断されたからといって、すぐにお薬が必要というわけではないからです。症状の有無や、心臓の負担の状態を評価して、お薬の内服開始時期やお薬の追加時期を決める必要があります。

本日の実習では、心拡大の評価や逆流の重症度の評価方法を実際に学ぶことができました。
次回は肺高血圧症について学んできます。