Fujii Times(ブログ)

2015年10月25日

アメリカでの猫の学会への参加

今回はアメリカの猫の学会【第3回AAFP(American Association of Feline Practitioners )ミーティング】でアメリカのサンディエゴに行きました。サンディエゴはとても天気が良く本当は外で遊びたいくらいでしたが、ウエットラボの実習や、ランチョンセミナーも含めて充実した時間を過ごしました。

この学会は、猫だけをトピックにした学会です。しかしながら学会というよりはまさにセミナーという感じです。今まで参加してきてる、外科や内科の学会よりは規模が小さく、こじんまりとしていました。

今回の学会のテーマは、猫の「画像診断と腫瘍学」でした。猫という観点からというだけで、それほど新しいものがあるわけではありませんでしたが、これからの当院の臨床の指標として間違っていない事を確認できただけでも良かったと思います。

しかしながら、学問が進んでくると徐々に科が分かれるように、犬と猫も分かれていくのでしょうか?日本でも最近この動きが少し出てきています。キャットフレンドリープラクティス(Cat Friendly Practice )と言って猫に優しい病院の認定制度があり、病院に基準を満たして申請すると取ることができます。ただこの動きも犬の頭数が減ってきて将来的に猫が有望だという商売の観点から取得する病院が多く存在することも事実です。犬猫を一緒に診察しなくても、犬の臭いだけで、猫は恐怖を感じますから、猫専門病院以外はどうなのかと疑問を持ちます。

そういった動きもあり、春の渡米の際にもシカゴの猫専門病院を見学したり、そして今回の猫の学会という流れになりました。

日本と比べてアメリカの先生は鎮痛に関してはかなり神経質になっていて、日本人では考えないほどに痛みに対して対応します。私も9月に世界麻酔学会が京都であり参加してきましたが、そこでも疼痛管理(とうつうかんり)についてのセミナーを受けましたが日本の先生とは少し開きがありました。そして今回の猫の学会で気付いた事は、我々の悩みもアメリカの先生の悩みも同じで、やはりアメリカの先生だからといって、治るわけではないのだと感じ、今後も勉強していきたいと思いました。

学会としては、それほどすごいトピックがあったわけではありませんが、女性獣医師の割合が大変多く少し肩身の狭い思いをしていました。また女性でも体中に入れ墨を入れている方がちらほら見えましたので、猫好きのアメリカ人は入れ墨を入れるのかなと感じたのですが、これは偏見でしょうか?

また毎回どんな学会に参加するときにも、実習に参加するようにしているのですが、今回はデンタル、猫の歯の実習に参加しましたが、これも当院でやっている事とほぼ同じで、機材などは、日本の方が進んでいると感じました。どちらにしても猫の患者さんに最大限の治療を提供できる様にと思い、この学会に来てみましたが、感じたことは今までやってきたことは間違っていないという事でした。今後も猫の気持ちもわかる動物病院でありたいと思います。