藤井動物病院

藤井動物病院 公式ブログ

確かな診断力を支える「触診」という技術

確かな診断力

総務スタッフです。先日、獣医師・動物看護師の求人資料を作成するために写真撮影を行いました。撮影後、写真を整理していると一つの共通点に気がつきました。それは、診察の際、動物に直に触り様子を診たり、聴診器を当て体内の発生する音などを聞き取ったりして、丁寧に動物を診ている姿です。

診察は、問診から始まります。問診とは、飼い主さんの訴えです。数日の症状や変化、病歴など口頭で獣医師が耳を傾けます。その主訴をもとに、診察・検査をして診断を下し、治療をします。

その流れは人と同じですが、動物は直接の会話をすることができません。それゆえ診察において人間以上に視診・触診・聴診が重要となります。これらの技術を鍛え上げないと、確かな診断はできません。

視診・触診・聴診で病気を絞り込み、検査が必要な場合のみ検査を実施し、治療に入ります。藤井動物病院には「とりあえずの検査」「とりあえず様子を見る」という診断がないのは、これらの診察を丁寧に行い、そこで確度を高くして検査や治療ができる技術があるからです。

中でも「触診」は重要です。藤井動物病院では診察時に症状にかかわらず、13カ所(200項目)の身体検査を実施します。13カ所とは、眼、耳、鼻、咽喉頭、消化器、生殖器、皮膚、リンパ節、可視粘膜、心血管系、呼吸器、筋骨核系、神経系です。

この身体検査を実施することで、飼い主さんも気がつかない本来の病気を探ることが可能です。この触診を徹底し、的確な診断を施すことが重要だと考えています。

「問診・触診・聴診で診断の70%以上が決まる」。これは院長の藤井が1990年初頭、米国のペンシルバニア大学へ留学した際に、Dr.Washabawという後に米国内科・学会長になった教授が学生に説いていたことです。

「1番の触診ができる獣医師になる」。藤井院長の当時の思いは、当院の獣医師にも伝承され、今日の診察・診断に生かされています。

新卒で入社し5年以内に独立開業獣医師を目指す

当院では5年以内に開業医をめざす獣医師を募集しています。獣医師をめざす新卒の学生さんには「5年で開業なんて本当にできるのですか」「実際5年で開業した方はいるのですか」と質問されることがあります。

麻の葉動物病院山下啓吾院長は、新卒で藤井動物病院に入社(2009年)し、藤井康一院長から、飼い主さんや動物に対する真摯な姿勢や、診療に対する考え方・治療方針の立て方である問題指向型SOAPを徹底して学び、その後、外科手術の技術も習得しました。さらには経営面や財務面の指導や立地調査などの指導も受け、5年後(2014年)に埼玉県越谷市で開院しています。同病院は、初年度より黒字化、3年目を迎え業績も順調に推移しています。

この功績は山下院長の尽力であることは言うまでもありませんが、藤井動物病院もあらゆる場面でサポートしています。山下院長と縁もゆかりもない埼玉県越谷市への開業も、開業時からの予約制も藤井院長のアドバイスがきっかけとなっています。

当院の考え方と支援体制であれば、新卒の獣医師の先生も30歳までには独立開業医となることができます。もちろんそうなるには、本人の努力は必要ですが「開業するために何が大事で、どのように実践して身につけていけば良いのか」。その正しい考え方やプロセスが藤井動物病院にあると言えます。

5年以内に独立開業医をめざす学生のみなさんは、一度、当院へ訪ねてきていただくと良いと思います。インターンシップ1日見学コースでも相談を受けることができますので、「開業医希望」と備考欄にお書きいただき申し込んでください。

インターンシップの申し込みフォーム

犬の歯科処置について

先日、院長が「犬や猫も予防歯科が大切。歯科処置・歯周病対策は専門の獣医師で。」を書きました。

今回は当院の宇佐美獣医師が犬の歯科処置について書きました。犬の歯は人間の歯とは異なるため、専門の獣医師による診断・治療が大切です。飼い主の皆様にもそのご理解いただけるよう、まとめました。

犬の歯科処置について

人と同様に動物においても口腔衛生が重要であると認識されるようになりましたが、日々の診察においては、未だ大半の動物が歯石沈着や歯周病を抱えているのが現状です。Q&A形式でわかりやすく整理してみました。

Q.歯周病は動物にどのような影響がある?

A.動物は少しの痛みでは食欲が落ちることが少ないため、気づきにくいですが、重度な歯周病の場合、私達と同様に痛みを伴います。歯周病菌は肝臓や心臓など全身的な疾患に関与すると言われており、歯周病は動物の寿命にも関連します。歯槽骨まで達するような重度の歯周病の場合には、敗血症に至り、止血機能の異常が起こり命取りになることさえもあります。

Q.健康診断の際に、歯の汚れを指摘されたけれどどうしたら良い?
A.歯石沈着の程度や歯周炎の程度により異なります。

歯肉炎や歯周炎がほとんどなく、歯石沈着が軽度の場合には、ご家庭での口腔内ケアをご指導します。歯肉炎(歯茎の赤み)が出てくる段階の歯石沈着では、歯石除去のためのクリーニングをご提案いたします。歯周炎(歯肉後退や歯の動揺など)が存在する段階では、歯石除去とともに、歯周組織のクリーニングを行います。この際、ダメージの大きい歯に関しては抜歯が適応になることがあります。

適切な処置を行った後は、毎日の歯磨きが最も重要です。その子その子にあったレベルでのケアをご指導いたします。

Q.口腔内処置には全身麻酔が必要なの?
A.全身麻酔をかけるということに対して、心配される方がほとんどだと思います。
最近よく、無麻酔で歯石取りを行ってくれるところがあるというお話を耳にしますが、
1.処置により十分な効果を得るために、
2.安全のためには麻酔が必要です。
以下にご説明いたします。

1.処置により十分な効果を得るために…
口腔内処置は、単に歯石除去を行うことが目的ではありません。
歯周病の治療および予防が目的であるため、歯の表面だけではなく、歯間や歯周ポケットの掃除まで行う必要があります。また、表面だけではなく、歯の裏側も同じように汚れているため、しっかりと口を開けて、内部まで精査する必要があります。無麻酔では、このような十分な処置は不可能です。
そして、歯石除去後は、歯の表面をなめらかにするための研磨作業が必要です。この処置を十分に行わず、歯石を取っただけでは、逆に歯石沈着を起こしやすい凸凹の歯面を作ってしまったことになります。

歯石が取れて見かけが綺麗になっても、十分な処置を行わなければ、歯周病の予防や治療にはならず、症状を悪化させたり、歯石沈着を助長させる原因となってしまうのです。

2.安全面において
歯石を取るための処置は、超音波スケーラーやハンドスケーラーを使って行われますが、超音波スケーラーは歯肉にしみるため痛みを伴います。また、ハンドスケーラーの 先端は鋭く、動物が動いた際に口腔内を容易に傷つけてしまいます。歯石除去中に歯を折ってしまうこともあります。
また、痛みだけでなく、処置の際に感じた恐怖心により口を触らせなくなり、その後のご家庭での口腔内ケアを困難にしてしまうこともあります。

これらは、日本小動物歯科研究会のHPに詳しく記載されております。

Q.麻酔下の歯科処置は具体的にどのようなことをするの?
日帰りで処置を行います。

1.(口腔内精査)
歯石、歯肉炎、歯周病の進行程度および腫瘤などの病変がないか全体的に観察。
【写真】口腔内全体の観察を行います。重度の歯石沈着が認められます。上顎の第4前臼歯(黄色丸)は破折しているのがわかります。
口腔内精査

2.(スケーリング)
超音波スケーラーにて、歯の表側、裏側、歯間を丁寧に磨きます。
【写真】超音波スケーラーにより歯の表面の汚れを落としているところ
スケーリング

3.(抜歯)
動揺している歯や破折している歯など温存が難しい歯があれば、抜歯します。
【写真】破折の認められた歯を歯科用ドリルで分割しているところ
抜歯1
【写真】低侵襲な超音波振骨切削機(PIEZOSURGERY)を用いて歯根膜の剥離をしているところ
抜歯2

4.(ルートプレーニングおよびキュレッタージ)
歯周ポケット内(歯根膜、歯肉縁)を掃除します。

5.(ポリッシング)
歯の表面を研磨し、歯垢を沈着しにくくします。
【写真】2種類の異なる粒子(粗いもの、より滑らかなもの)を用いて丁寧に研磨していきます。
ポリッシング
6.(洗浄)
口腔内、歯周ポケットなど全体的に洗浄します。

7.(記録)
残っている歯、抜歯した歯、歯周ポケットの深さなどを記録します。

Q.歯科処置の後はどうしたらよい?
歯磨きを主としたホームケアが重要です。ご褒美を使用しながら、歯磨きを楽しい習慣にし、毎日続けていくことが大切です。歯ブラシを使用することが好ましいですが、最初は抵抗がある子も多いため、簡単なケアから焦らずに少しずつステップアップすることが大切です。当院ではその子その子のレベルに合った方法をご指導しています。

実際には、動物の場合、口を開けてくれなかったり、嫌がって怒ってしまうなどの理由から正しく十分なケアができるようになるのには根気も必要になります。大人しくケアをさせる子であっても、歯の奥や裏側まで丁寧に磨きあげることはなかなか困難なため、定期的に口腔内チェックを病院で受けていただき、ホームケアと必要な口腔処置を繰り返すことで歯周病にならないようにしてあげましょう。

積極的にホームケアを行っている方でも、経年により歯石沈着が進行してきた場合には、数年に一回麻酔下にて歯石除去を行います。最近では、1年〜2年に一度、定期的にクリーニングをご希望される方も増えてきました。近年では麻酔は安全性が高く、歯石沈着が軽度なうちであれば、麻酔時間も短くすみ、体への負担も最小限です。

<当院の歯科処置設備>
麻酔時間をより短縮し、より安全性が高く、痛み・負担の少ない処置を心がけています。

・診察機器
1.デジタル歯科X線
歯槽骨、歯周組織など通常のレントゲン装置では評価が困難である薄い組織に対して鮮明な画像が得られます。歯1〜2本の限局的な評価に使用します。
【写真】デジタル歯科X線
デジタル歯科X線装置

2.小型CT撮影装置
わずか18秒で頭部のCT画像を撮影できる機械です。歯周病が重度である症例に関しては、歯を1本ずつX線撮影し評価することは時間がかかるため、CT撮影を実施することで大幅に時間短縮が可能です。また、鼻腔内に炎症が波及している場合などでは、歯の評価と同時に鼻腔内、副鼻腔まで評価を行うことができます。CT画像はコンピューター処理にて立体画像構築することにより、飼い主様にわかりやすい説明を心がけております。
【写真】小型CT撮影装置
小型CT撮影装置

【動画】3DCT画像 ※音量をONにすると解説を聞くことができます。

・施術機器
1.歯科ユニットOral Vet と 超音波スケーラー iPiezo engine Varios970
歯科処置は、最も多い処置の一つであるため、当院では2箇所で処置を行うことができるよう、機械は2台設置しております。
1台は、歯科用ドリルまで一体化された総合的なユニットです。
【写真】Oral Vet
oralvet
【写真】iPiezo engine Varios970  iProphy
iPiezo engine Varios970 iProphy

2.超音波振動骨切削機(PIEZOSURGERY)
人の歯科医院においても抜歯処置などに使用される機械です。
超音波振動にて歯肉や神経、血管を痛めることなく、歯槽骨、歯根膜を切削できるため、低侵襲な処置が可能であり、疼痛緩和が可能です。
【写真】(PIEZOSURGERY)
PIEZOSURGERY

3.半導体レーザー
COMPANION THERAPY LASER Lite Cure,LLC CTS-S)
歯周ポケット内の清掃・殺菌を行うことができる装置です。より狭い歯周ポケットの内部も処置が可能であり、炎症組織に作用し、歯茎の治癒を促進し、歯根との再付着を促します。
【写真】本体
① 半導体レーザー (COMPANION THERAPY LASER Lite Cure,LLC CTS-S)
【写真】外科処置用ハンドピース
外科処置用ハンドピース

犬の予防歯科や歯周病の検査・治療は、技術と歯科の設備が充実している動物病院で。まずは獣医師にご相談ください。

フィラリア症の予防シーズンです

総務スタッフです。

犬のフィラリア症の予防シーズンが来ました。当院では春の健診期間中です。全身の血液健診とフィラリアの抗原検査をセット価格で行うことができます。さらに推奨予防期間分のフィラリアやノミ・ダニ駆虫薬をまとめてご購入頂いた方には特典もあります。

ご存知のようにフィラリア症は、蚊を介して犬の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が起こす病気です。犬フィラリアは成虫になると30cm にもなる糸状の寄生虫です。寄生することで血液の循環が悪くなり、様々な障害が表れます。放置すれば死に至ることもあります。

実はフィラリア症は猫にも感染します。犬と比べると感染は稀ですが、発症すると嘔吐や咳、呼吸困難などを経て死亡してしまう事もあります。猫にはノミダニ予防と一緒にスポットタイプで予防できる薬があります。獣医師にご相談ください。

ところでフィラリア症はいつ頃から増えてきたのでしょうか?

当院の30年誌(1954年創業 1984年発行)によれば、昭和30年代半ばに日本の経済成長を反映して飼犬の頭数も増え、それに比例するように、フィラリア症も増えてきたと書かれています。また、当時の治療は非常に神経を使うものだったようです。

そのような中、前院長の藤井勇は昭和37年(1962年)7月には、「犬糸状虫(フィラリア)の心臓手術による治療法」を第7回麻布獣医学会で発表。臨床医として開胸手術でフィラリアを摘出することに成功しました。その臨床、発表のインパクトは強く、国立の研究所出身者や他の臨床医の先生方からも藤井動物病院の研修医になりたいという希望が殺到したようです。

その後も「犬の心臓糸状虫による後大静脈狭窄の症例について(昭和42年)」、「犬糸状虫による後大静脈栓塞の診断法について(昭和43年)」、「犬糸状虫による後大静脈栓塞の手術法について(昭和44年)」、「犬糸状虫に対するトリメラルサンの応用(昭和44年)」「犬糸状虫前眼房に迷入した二症例について(昭和45年)」、「犬糸状虫の後大静脈塞栓症ならびに右心房寄生虫の左側頸静脈よりの吊り出し手術法について(昭和47年)」「犬糸状虫の後大静脈塞栓症の外科手術法について(第183回日本獣医学会/昭和47年8月 日本臨床獣医学会賞受賞)」と、1960年代-70年代初頭にかけてフィラリアに関しての臨床、研究、発表を継続してきました。

そして1980年代になって月に1回の投薬で良いイベルメクチンという薬が出てからフィラリア症の予防が徹底しました。このイベルメクチンは2015年に大村智氏のノーベル賞の受賞によって日本中に知れ渡りましたが、この薬の発見は人間同様、犬の世界でも死亡症例をかなり出さずに済み、寿命が飛躍的に伸びました。

当院はその薬が出る前、今から50年近くも前よりフィラリアの臨床、研究を重ねて参りました。フィラリア予防においてもその創業以来のDNAを引き継ぎ、さらに進化を重ねております。しっかりと予防して参りましょう。

犬の歯周病予防としての歯石除去

歯周病には、「歯肉炎」と「歯周炎」と2つの要素が含まれます。

歯周病は、口腔内の細菌が歯の表面に付着するプラーク(歯垢)を形成する時に始まります。そして、唾液などに含まれるミネラルがその歯垢を硬化させて歯石となり、歯肉炎→歯周炎と進行します。

歯肉炎は、その名のとおり、軽度の歯肉の炎症から始まります。その炎症をそのまま放っておくと、歯肉炎は進行し、歯肉が腫れ、出血がみられるようになります。

細菌が歯肉だけでなく、その奥の歯根膜や、さらに奥の歯槽骨まで進行すると「歯周炎」になります。放っておけば炎症が口内に広がり、歯のグラつきがでてきます。

歯周病は放っておけば、肝臓や腎臓、心臓など二次的な病気へ発展しますケースもありますので、十分な注意が必要です。

そうならないためにも、普段の歯のケアは必要となります。普段の歯磨きや歯磨きガムなどの利用などはもちろん大切ですが、なかなか難しいこともあります。

定期的に歯の健診を受け、獣医師の指導を受けてください。そして、歯周病の原因の一つともいえる、歯石除去もお考えください。当院には歯科関係の専門機器も充実しています。また、それらの機器を扱う技術も経験を重ねていますので、まずはご相談ください。

(ご参考)犬の歯石除去
http://fujii-vet.com/dog/tartar/

女性獣医師の活躍

総務スタッフです。

先日、「重医事をめぐる情勢(農林水産省消費・安全局 畜水産安全管理課 平成28年9月)」を見ていると女性獣医師に関する情報がありました。

・現状の獣医師のうち、20-30歳代では女性獣医師が増加。約半数を占めている。
・獣医学生の約半数は女性であり、今後も女性獣医師が増加。

確かに、最近の獣医師向けの新卒採用セミナーも女性獣医学生が多く、また質問も積極的です。また小動物の臨床獣医師になろうという意志も強いように感じられます。

当院にも現在、2名の獣医師がおります。双方とも5年以上の勤務獣医師で飼い主さんからの信頼も厚いです。内科は言うまでもなく、根治を目指した外科手術の技術も習得し、日々診察、治療をしています。

他にも、当院で7年間、勤務医として働いた後、開業医としてキャリアを積んだ先輩女性獣医師がいます。その先生は、勤務医か開業医か悩んだ時に、当院院長の藤井よりアドバイスを受け開院しています。そのアドバイスは開業前だけでなく開院後も獣医療面、また経営面の相談を含め継続しています。
(ご参考:先輩からのメッセージ

創業からの60年を顧みれば、多くの女性獣医師が当院に関わり、勤務医として独立開業医として巣立っていきました。

もちろん、獣医師としては言うまでもなく、一人の人間としての成長は大事です。それぞれのライフステージに合わせた勤務体系、またライフ・ワーク・バランスも重要です。

当院が業界に先駆けて始めた予約制や日曜日の休み、また獣医師の週40時間をめざすのも、獣医師のライフ・ワーク・バランスのことも考えてのことです。またそれらの環境は現状に甘えることなく、さらに良くしていこうと考えています。

女性獣医師をめざす獣医学生のみなさんも当院へ足を運んでいただければと思います。見学コース、インターンシップの内容の確認、申し込みは下記からお願いします。
http://fujii-vet.com/student/

犬や猫も予防歯科が大切。歯科処置・歯周病対策は専門の獣医師で。

人間と同様、歯の健康は寿命を延ばします。犬においても、歯をきれいに保って育てると、平均15%寿命が延びると言われています。これは2年に相当します。しかしながら、犬猫の歯を磨くというのはなかなか大変なことです。

私(院長の藤井康一)が1990年代初頭にアメリカのペンシルバニア大学獣医学校に留学していた頃は、すでに動物の歯科学が存在していました。口腔外科の先生が学生に歯の種類や病気を覚えさせるためにクロスワードパズルを作らせていたのを覚えています。

そんな授業を受けた後に、一人の学生が「自分の歯もきれいに磨けないのに、犬や猫の歯は磨くなんてことできないよ」と私に話していたのを覚えています。当時、アメリカでは人間の歯の矯正は当たり前の時代でしたが、やはり動物の歯となると、このような考えが一般的だったのかもしれません。

あれからもう四半世紀がたちました。そして現在のアメリカの動物病院では、特に2月がデンタルマンスという特別な月になっていて、毎年この月に麻酔をかけて歯のケアをする飼い主さんが沢山います。そのほとんどが、きれいな状態を保つための歯の処置で、歯周病になっている歯を抜くためではありません。完全な予防の歯科処置に変わっています。

一昨年に訪れた、シカゴの動物病院では一般の外科の手術室は1つなのに、歯科の手術室は2部屋ありました。このように時代とともに、悪いところを取るという概念から、悪くならないようにするという予防に方向性が変わっています。

日本でもだいぶ予防の歯科処置の子が増えてきてはいますが、未だに歯周炎の治療が必要な子たちが多いのも事実です。また最近では無麻酔での歯科処置をするという獣医師ではない方の施術が目につきます。歯は表面上きれいに見えても、歯周病の治療をしないと何の意味もありません。

そのため歯はきれいなのに、抜かなければいけない歯がほとんどという子を目にするようになりました。日本には日本小動物歯科研究会という歯科の専門分野を研究するグループがあります。そこでこの無麻酔下歯石除去についてのコメントがありますので、是非ごらんになってください。 ご参照 「無麻酔で歯石をとる?!(PDF)

また犬の歯は人の歯と違い、かみつぶすという機能はあまりありません。臼歯とは呼ばれていますが、ほとんどの歯は、刺すという行為と裁断するという行為の歯です。処置や磨き方は人とは違いますので、定期的に獣医師の指導を受けてください。

(獣医学生の皆様へ)インターンシップに来ませんか?

2018年新卒の獣医学生のみなさん。藤井動物病院へインターンシップに来ませんか?インターンシップは2日間見学コース、5日間の実習コースがあります。インターンシップの主な目的は、当院の基本思考であるSOAPに触れてもらうことです。

(参照)治療までの思考プロセス「SOAP」

みなさんご存知のように、診断・治療は一つひとつ違います。単なる知識の習得だけでは、応用が効きません。臨床を重ねるのは言うまでもなく、経験則だけではなく、目の前の課題と関連させて全体の状況を把握し、診断・治療する。SOAPは常にアップデート対応が必要な思考であり、技術であり、能力です。

そのSOAPの基本を2日間コースで、5日間コースではSOAPを軸に、検査実習や手術見学などを通じて、正しい診断技術の身につけ方を体験していただきます。

もちろん、1日だけ見学したい方もお申込みください。

詳細はこちらから、御覧ください。

※お申込みはページ内の「インターンシップの申込みはこちら」からご応募ください。ご応募後、メールにて返信いたします。

開業をめざす獣医師募集

藤井動物病院では新卒者・経験者とも「開業をめざす獣医師」を募集しています。ここ数年でも埼玉県で3名の先生がそれぞれ開院され、1名の先生は新卒で藤井動物病院へ入社し、5年で独立をしました。

独立後も院長の藤井康一が各先生へ、獣医療はいうまでもなく、経営面でもアドバイスを続けています。各病院の先生方のご尽力もあり、順調に運営がなされています。

藤井動物病院は1954年の開院以来、多くの獣医師の先生方が当院での勤務を経て、独立・開院されていらっしゃいます。出身大学も様々で、麻布大学、日本獣医生命科学大学(旧:日本獣医畜産大学)、北里大学、日本大学、北海道大学など幅広く、開院の場所は、東京、神奈川はいうまでもなく、北は北海道から南は鹿児島まで、全国に広がっています。

初代院長の藤井勇は小動物診療の草分け的存在として、臨床家として、日々診療をし、さらに新しい研究と論文発表を続けるなどこの業界に大きな貢献をして参りました。同時に獣医師の育成にも情熱を注ぎ、教育を施してきました。現院長の藤井康一もその意志を引き継ぎ、獣医師の教育面に力を入れてきており、今日に至っています。

獣医師としての心得・技術はいうまでもなく、経営者として、一人の人として、学び多き環境が当院にはあります。それらの環境は、創業時代より今日まで、60年の歳月を経て宿った当院のDNAともいえるものです。

開業をめざす新卒の獣医学生のみなさん。獣医師として経験をされてきた先生方。一度、当院を訪ねてきてください。応募をお待ちしています。

動物病院開業をめざす方への募集要項
獣医学生のみなさんへ
獣医師の方へ

犬猫が1日に飲む水の量。多飲の症状には注意が必要

犬猫が1日に飲む水の量を御存知でしょうか。その日の気温や食事に含まれている水分量などに左右されますが、犬では体重1㎏当たり50~60mlで猫はその半分と言われています。1日の飲水量が1㎏あたり犬で90ml、猫で45mlを超えると、病気の可能性が高いので病院へ行くことをオススメします。

犬の場合、多飲多尿はホルモンの異常で起こることが多いです。例えば糖尿病、副腎皮質機能亢進症そして甲状腺機能低下症が代表的なホルモン異常の疾患です。どれも初期の症状は多飲多尿に加えて、よく食べる、よく寝るなどの症状が出ることから、飼主さんは、老化と間違えてしまうことが多いために発見が遅れてしまいます。気付いた時には進行していることが多いので、気を付けたい病気です。

犬は水を飲むようになったら、食欲はあっても検査して下さい。

猫では、若い頃の病気に下部尿路疾患があるため、飼主さんが排尿があることで安心をしているケースが多いですが、8年を超えた猫では、お水を沢山飲んで尿を沢山するというのは、病気の兆候の可能性があります。特に猫では多飲多尿は慢性腎臓病の特徴的症状です。猫は病気を外部に見せない動物ですので、その他の症状は、病気が末期近くならないと現れません。その他糖尿病も犬同様に多い病気ですが、猫の糖尿病はコントロールが難しく、病態が悪くなり早期に亡くなるケースも多いですので、多飲多尿には、注意が必要です。

猫は生理的に尿を濃縮する能力が高いので、2日に一度排尿をする子もいます。若い頃より排尿回数が増えていたら、食欲元気があっても検査を受けて下さい。

その他多飲多尿は重篤な病気の初期症状であることが多いため、この症状を見逃さないことが、飼主さんにとっては大きな役割だと思います。