藤井動物病院

藤井動物病院 公式ブログ - 犬の耳鼻科

犬のめまい 前庭疾患

総務スタッフです。2018年も1週間がすぎました。七草粥も終え、日常が少しずつ戻ってきているように感じます。

以前、「犬の耳の病気 外耳炎などに注意する」というブログを書きました。良くご覧いただいたようで、皆様のご関心が高く感じられました。

その耳に関連した話で、今回は「犬のめまい」について少し書きたいと思います。このことを書こうと思ったのは、先の犬の耳の病気についての話の反響もありますが、それ以外に1つ理由があります。

個人的な話で申し訳ありませんが、私は休暇中に突然めまいが始まり、その症状が断続的に続き悩まされたことがあります。前日まで全く症状はなく、あまりにも突然で驚きました。診察、MRIなどの検査の結果、「良性突発性頭位めまい症」と診断されました。今回、この病気の詳細は書きませんが、この病気の原因の一つは耳の耳石や三半規管に関係するものでした。

その時に、「犬のめまい」のことも考えました。人間の突発性のめまいも辛いものですが、犬もまた辛いだろうと感じ、書いてみたいと思いました。

愛犬の体がふらついたり、よろよろしたり、首を一方へ傾けるような姿勢のままだったりすることはありませんか。それは、もしかしたら前庭疾患の症状かもしれません。

私たちが三半規管によって身体の正確な位置情報を伝えてバランスをとっているように、犬もまた三半規管によって身体や頭の正しい位置情報を脳に伝達して体の平衡感覚を保っています。

先日のブログにも上げた耳の図です(図が下手ですいません)。犬の耳の奥には、「内耳」があります。内耳はカタツムリのような形をした蝸牛(かぎゅう)と焼き菓子のプレッツェルのような形をした三半規管が骨の中におさまっています。

犬の耳の構造

三半規管には、前庭神経がつながっています。前庭神経は、平衡感覚をつかさどる神経で、異常が起きるとワンちゃんはバランスが保てなくなります。

前庭疾患により、平衡感覚を損なうことで起こるめまいやふらつき、また、まっすぐ歩けなくなる、嘔吐や首が片方に傾き、ねじれて見える捻転斜頸や、眼球が回る眼振の症状が出てきます。

この症状は、突発的に起こることも多く「突発性前庭疾患」(特発性前庭疾患)、特に中・高齢犬(シニア犬)はこの疾患を起こしやすいと言われています。

前庭疾患は主に、外耳炎、中耳炎、内耳炎や耳の中の腫瘍などが原因で内耳での炎症が、前庭神経に波及することで発症しますが、原因は様々です。病気の特定には、診察や検査で、急性内耳炎や、脳や耳の他の疾患、前庭疾患の症状以外の神経症状を除外するなどが必要です。

院長によれば、この特発性前庭疾患は、昔、外飼いが多かった時代は冬によく起こる病気だったようです。寒くて、神経系の血行障害やストレスが原因だったようですが、現在は温度管理ができた環境下で飼っているケースが多いので、寒いからこの病気になるということは少なくなっていると言います。ただ寿命が延びた分、様々な犬種にどの季節でも起こりうる疾患だと話がありました。

繰り返しになりますが、平衡感覚、バランスを失っためまいは大変つらいものです。愛犬に気になる症状がある方、ご心配な方は当院の獣医師にご相談いただきたいと思います。

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