藤井動物病院

藤井動物病院 公式ブログ

最新医療機器導入の本意

総務スタッフです。機器についてのページを更新しました。(検査機器滅菌器手術用機器治療用機器)。最新の医療機器が増えました。医療機器は日々の診察や治療から、動物や飼い主さんにとって何が必要なのかを院長や獣医師が考え、定期的に刷新しています。

刷新された機器をいくつか抜粋します。

◎エコー診察室用 FUJIFILM FAZONE CBv診察用エコーこれは診察室内の検査用エコーです。当院では詳細な検査は別器ALOKAプロサウンドα7で実施しますので、本器では、腹腔内の簡単なチェックしかしませんが、診察室内の検査と言っても従来よりも機能的には十分な診断が可能で、かなり充実した検査が可能です。鮮鋭度がとても良くなっていて、血流分布をマッピングし視覚的向上が見込める「カラードプラー」や、任意の位置(血管)で血流信号をとらえることができる「パルスドプラー」も可能です。

◎ホルモン測定器 FUJIFILM DRI-CHEM IMMUNO AU10Vホルモン用測定器コルチゾル、サイロキシン(T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定ができます。犬猫に多く認められる、副腎皮質機能異常、甲状腺ホルモン異常を迅速に検査することが可能です。

副腎皮質機能亢進症は老齢の犬に多く認められますが、特に猫では高齢で甲状腺機能亢進症が非常に多いです。これまでは、検査診断は外注検査に提出しなければならなかったため、診断するのに数日かかることもありましたが、現在では院内で検査可能ですので、その日のうちに結果がわかるというメリットがあります。

◎トノペットトノペットトノペットは点眼麻酔なしで眼圧測定が可能な眼科検査機器です。プローブは清潔に個包装されたディスポーザルタイプのため感染症や微生物汚染の心配がありません。※従来のトノペンは点眼麻酔が必要でした。

◎ソノサージ(SonoSurg)ソノサージ
ソノサージは、止血をしながら切開をすることが可能な機械です。バイクランプ同様、糸を用いることなく低侵襲な手術を行うことができます。当院では、主に猫の去勢や避妊、腹腔鏡を使用した手術の際に活躍しています。

その他の機器もありますが、これらは全て動物たちへの安全安心医療のため、目的に応じた検査診断・治療のためでありそれらが飼い主さんのためとつながるものばかりです。

院長は常々「医療機器は、お金さえ出せばどこの病院でも導入できる。大事なのは、その導入する目的と理由だ」と話をします。例えば、数年前、発売すぐに動物病院用3DマイクロX線CTを導入しました。動物病院用3DマイクロX線CTこの機器を導入するまでは、X線CTの検査機器は採用を見合わせていました。理由は、犬猫の小動物診療においてもCT検査機器のほとんどが人間用の大型のもので、寿命が人間より短い動物に対して被曝線量が多く、それによる発がん率の上昇を懸念していたからです。

本器の導入により、小型化、短時間での撮影(最短18秒/回)も可能となり、動物への被曝量もへり、また散乱放射線の低減と被爆も抑えることができるようになり、獣医師や動物看護師への負担も軽減されています。

次回、詳しく書きたいと思いますが、昨年2016年に導入した腹腔鏡手術用ユニットもまさにその一環であり、従来であれば宿泊が必要だった手術でも腹腔鏡であれば、即日に退院できるなど動物負担や飼い主さんの心理的負担も軽減されています。

言うまでもありませんが、大事なのは最新医療機器ではなく、医療の向上、動物負担の軽減につながる安心安全医療であり、その実現の一環として医療機器への設備投資を重ねています。

飼い主の皆様にはその当院の気持ちを少しでもご理解いただければ嬉しい限りです。

獣医師を育てるということ

総務スタッフです。前回のブログでも少し触れましたが、新卒対象の獣医師、動物看護師の募集セミナーでは可能な限り、藤井院長に同席してもらっています。藤井院長は当院での臨床・指導の他、学会、動物協会の理事、海外での活動など多忙なスケジュールで調整が難しいのですが、それでも将来、獣医師や動物看護師をめざす学生さんのためになれればと時間を割いて一緒に参加してもらっています。

院長には時間の許す限り様々な話をしてくれます。中でもSOAPの話は熱が入ります。「思考は技術」「(SOAPは)徹底して学んで欲しい」「(SOAPは)毎日臨床を続けて、最低3年は必要」と獣医師をめざす学生さんに繰り返し話をしてくれます。

ただその時に気になる言葉がでるのです。それは「別にうちの病院に来なくてもいいから・・・」という発言です。当初、私はその言葉が理解できませんでした。なぜなら参加している採用セミナーは藤井動物病院の将来を担う獣医師、動物看護師の採用の場ですから、私としては絶対に当院を選んで欲しいのです。

ただ、最近ようやくその言葉の本意がわかるようになってきました。それは当院のことだけでなく、獣医業界全体を考えての発言だと言うことです。

それは、以前紹介した「動物たちの命の灯を守れ!(著者:細田孝充さん)」を読んでも理解することができます。そこには、夜間動物病院の設立を通じて、その設立に奔走した藤井院長をはじめ、ご賛同された多くの先生方がご自身の動物病院という枠組みを超えて、動物のため、飼い主様のため、そして働く獣医師のため、尽力された姿が描かれています。

また、同著には当時、大学卒業後、当院で研修医として勤務していた葉山俊先生(現:葉山動物病院院長、DVMsどうぶつ医療センター横浜取締役)と藤井院長とのやりとりが書かれていますが、そのエピソードは1つの動物病院としての枠組みを超えた象徴的な話だと思います。またそこで院長が若き日の葉山先生に話す「獣医師はいつも真摯でないといけない」という教えは、3年前の葉山先生のインタビューにも書かれていて、それもやはり獣医師として、人としての話であって、小さな枠組みでの話ではありません。

振り返れば、初代院長の時代も100人以上の門下生が勤務医としてまた独立開業医として活躍されてきました。それは藤井動物病院という枠組みを超え、獣医業界全体を考えた指導の結果です。当院は開業以来、真の獣医師を育てるというDNAが流れているように感じます。

院長が「別にうちの病院に来なくてもいいから・・」という言葉にはこれらの背景があるものです。決して当院に来てほしくないという意味ではありません。逆に真の獣医師をめざすならば、当院がベストであると思っています。

藤井動物病院が考えるチームワーク・チーム医療とは

動物病院手術風景総務スタッフです。藤井動物病院では、獣医師と動物看護師が、また複数の獣医師が協力し、診察や検査、手術をしています。それらを総じて「チーム医療」と言葉にすることもありますが、その言葉自体に違和感を持つこともあります。

先日も新卒採用セミナーで学生さんに当院の特長の1つとして「最短で根治をめざす『最先端の外科治療とチーム医療』を説明したのですが、この時も、うまく伝えきれなかったように思います。

実はその時、私が説明する横に藤井院長がいたのですが「(ここで言うチーム医療とは)獣医師、動物看護師が臨床や経験を重ね個々の実力を高めた上で協力し、根治をめざした医療を実現しているということで決して個々の力の無さを補っているのではない」と補足がありました。

当院は普段から常にコミュニケーションをとりあい、獣医師と看護師、また獣医師同士の連携がとれています。
動物病院打ち合わせ獣医師と動物看護師また、協力しあうことで、手術も短時間で実施でき、動物への負担も最低限におさえられています。藤井動物病院手術ただ、繰り返しになりますが、これらをもって「チーム医療」と言うには言葉が足りない気がしているのです。その点、どうやって伝えたら良いのかと悩んでいたときに、院長がオランダへ行ったときの報告(英文)を目にして、ハッとさせられました。

「・・as a team they are really efficient and very much attuned to each other. All people know exactly what they should do and what they need to do. It is a harmonized team both mentally as physically. Everything goes very smooth and automatically,・・・・」

・チームとして効率的で、お互いに調和している。

・チームの全ての人が「自分たちが何をすべきか。何をする必要があるのか」を正確に理解し、行動している。

・その結果、精神的にも身体的にも調和がとれたチームとなり、全てがスムーズで
 意思疎通がはかれている。

院長がオランダで感じたことが、まさに藤井動物病院のチームワークやチーム医療という言葉の意味する所であり、根幹につながる話だと感じました。次回の学生さん向けのセミナーでは前回より正確に伝えられると思います。

笑顔が垣間見れるとき

総務スタッフです。獣医師や動物看護師も、普段は診察・検査・手術など真剣かつ気が抜けない瞬間の連続です。先生方の緊張もありながら平常心を保ち診察、治療にあたるその姿からは、動物や飼い主さんへの真摯な思いが伝わってきます。

藤井動物病院中林獣医師
そんな先生方にも笑顔が垣間見れるときがあります。そのことが4月の写真撮影で改めて感じ取ることができました。例えば、朝礼。朝礼では、一人ひとりが、近況や最近、印象にあったことなどを順番に話をしていくのですが、その時は、獣医師も看護師も笑顔。とてもいい表情を見せてくれます。

藤井動物病院動物看護師大岡さん
藤井動物病院獣医師

藤井動物病院宇佐美獣医師
この時は、撮影した前日が休みだったこともあって、特に楽しい話が満載でした。朝礼のときは、話す人がぬいぐるみを持ちます。それだけでも可愛らしく感じます。

診察中も笑顔になるときもあります。良く知った飼い主さんが私たちを和ませようとしてくれたときや、訪れる動物たちの緊張をほぐすときなど、どれもやさしい表情です。
藤井動物病院動物看護師小山田さん
藤井動物病院三國獣医師藤井動物病院獣医師と動物看護師
午前中の診療が終わったときも、時折、談笑の場面があります。診断を終え、ホッとした瞬間ですね。
藤井動物病院談笑
ときに垣間見れる笑顔は、良い人材に恵まれ、また良き飼い主さんに恵まれ、その証だと思います。普段の厳しさの中にあるこういった笑顔を大切にしていきたいと感じています。

海外との交流で学び得ること

異国の文化や知識に触れたり、体験したりすることで、今までにはない考え方や新しい価値を生み出すことができます。それはこの小動物医療においても同じことです。

当院では長年、獣医師、動物看護師の海外研修を積極的に行っています。当院獣医師の中林も昨年、ハワイへ2週間の研修に行っており、オープン・フランクな良き雰囲気でありながらも、診察・検査・治療に対する責任を持った行動と飼い主様からの「安心感・信頼感」の大切さを改めて感じとってきています。

(ご参考)
中林獣医師のハワイ研修報告

また、海外研修へ行くばかりでなく、海外で活躍のドクターが当院へ訪れることもあります。オランダの獣医師であり、ユトレヒト大学の教員でもあるDr.Roeland Wessels(St.Anna Advies代表)が来院した時の様子は、Wessels先生のブログにも書かれています。

(ご参考)Dr.Roeland Wesselsブログ
https://blognobivac.wordpress.com/2014/12/08/the-cat-with-ten-lives/

NobivacGlovalVetExchangeProgram

院長の藤井もその後、オランダへ向かい、Wessels先生のもとで、多くのことを学んできています。

Wessels先生の病院藤井康一オランダ研修Wessels先生手術風景

藤井は常日頃から「獣医師のワークライフバランス」「持続可能な動物病院経営」のことを考えています。このオランダでの研修では、まさにその多くの気づきがあり、可能なことはすぐに取り入れ実践しています。その詳細はまた別の機会に話をしたいと思います。

なお、Roeland Wessels先生は、その後、再来日され藤井が座長となり、「顧客満足度を上げるための動物病院コミュニケーション」というテーマで講演もしています。

(参考)講演内容
http://www.irwebcasting.com/20150624/3/49c494fbe3/mov/main/index.html

Dr.Roeland Wessels先生講演藤井院長座長

当院の定期的な海外の動物病院や獣医師、指導者との交流は、単なる見学や旅行の延長線上にあるものではなく、その体験を通じ獣医師としてまた人間として成長の機会を得るものです。今後もより多くの学びがあるよう継続していきます。

仁心社中から「ご利用・ご協力のお礼とご報告」

スクリーンショット 2017-05-10 11.15.39(写真)仁心社中の寄付で助かった猫たち

仁心社中は当院が中心になり「動物の保護活動を支援すること」を目的として7病院が協力して立ち上げた団体です。仁心社中の通販サイトは7病院の飼い主様限定で利用することができ、売上の5%を寄付する形で運営されてきましたが、2017年3月末日をもって閉鎖することとなりました。今までご利用、ご協力いただき誠にありがとうございました。

この寄付金で協力病院の1つであるしらさぎ動物病院で運営している里親募集型保護猫カフェ「しらさぎカフェ」の2016年6月以降2017年3月までの活動で必要であったフードや治療薬を仁心社中で購入し、寄付をいたしました(ペットフード・治療薬購入金額 169,373円)。この活動で去年の11頭に加え、新たに16頭の猫の命が助かりました。

猫ブームは続いているようですが、まだたくさんの猫が(犬も)捨てられています。捨て猫の大半は生まれたばかりの子猫たちです。捨てる前に少し貰い手を探す努力や、ペットショップで猫を買う前にこのような子たちがいることを思い出してもらえることを願っています。

しらさぎカフェでは引き続き猫の保護活動と啓蒙活動を継続します。

(ご参照)
仁心社中ニュース保護活動のその後(PDF)

仁心社中 協力病院
藤井動物病院
なかまる動物病院
しらさぎ動物病院
あさか台動物病院
駅前通り動物病院
アシュア動物病院
麻の葉動物病院

海外からも評価された45年前の学会発表

総務スタッフです。

先日のブログ「フィラリア症の予防シーズン」で1960年代、1970年代においてフィラリア症についての初代院長の藤井勇が診断や手術方法について学会発表していたことを簡単に触れさせてもらいました。

その頃の様子がわかるものがネットに掲載されていないかと個人的に調べていたところ、1つ見つけることができました。1972年(昭和47年)に開催された第183回日本臨床獣医学会(小動物)においての学会講演要旨「犬糸状虫の後大静脈塞栓症の外科手術法について」の講演資料です。

この資料によれば

・犬糸状虫による後大静脈の狭窄および塞栓を伴う患犬が多くみられ、その予後は極めて不良。

・この診断ならびに外科的治療法について日獣会誌(1968年)第143回ならびに第151回日本臨床獣医学会にて報告

・これまでの報告ではその臨床診断が困難、また外科手術法についても開胸下で行うため、重症な症例では麻酔や手術などの浸襲に対して危険を伴う

・これらの課題をもとに、外科的手術法を根本的に考え直し、従来の開胸手術によらず頸静脈から糸状吊り出し鉗子を挿入して、右心房内および後大静脈に塞栓している犬糸状虫を摘出する方法を考案、実際の臨床例に応用した結果、極めて良好な成績が得られ、同時に本方法が安全で実用性があり、一般の臨床に広く活用し得ることが確認された

とあります。このことにより、従来の全身麻酔を局所麻酔にできたこと。皮膚切開も従来の開胸手術と比較して小範囲で済むようになったことなどが挙げられています。

私が個人的に最も感心したのは、その手術を実現するために頸静脈から後大静脈まで到達させるための鉗子を改良していることです。

常々、現院長の藤井康一が「学会発表も自分だけができる手術では意味がない。自分以外の多くの獣医師でもできることが大切」と言います。その話を45年前のこの発表に置き換えれば、この鉗子の改良で多くの獣医師がこの手術ができるようになったと想像できます。

なお、この鉗子を用いた頸静脈からの摘出法は、海外でも高い評価(※)を得ていたと犬糸状虫症研究の歴史的概観(大石勇,2001)でも書かれています。

(※本文抜粋)『大静脈症候群(caval sybdrome)の治療を目的とした藤井勇(1975)の直鉗子を用いた頸静脈からの虫摘出法でがある。この方法はJackson,R.F.et al(1977)も高く評価している』

現在、フィラリア症は、薬で予防が徹底されていますが、こういった歴史を重ね今日があることを強く心に感じました。

◎当院では、「春の健診キャンペーン」を4月に引き続き実施中です。全身の血液健診とフィラリアの抗原検査をセット価格で行うことができます。さらに、推奨予防期間分のフィラリアやノミ・ダニ駆虫薬をまとめてご購入いただいた方には、特典もあります。キャンペーン期間は5月31日まで。ぜひこの機会にご利用ください。

確かな診断力を支える「触診」という技術

確かな診断力

総務スタッフです。先日、獣医師・動物看護師の求人資料を作成するために写真撮影を行いました。撮影後、写真を整理していると一つの共通点に気がつきました。それは、診察の際、動物に直に触り様子を診たり、聴診器を当て体内の発生する音などを聞き取ったりして、丁寧に動物を診ている姿です。

診察は、問診から始まります。問診とは、飼い主さんの訴えです。数日の症状や変化、病歴など口頭で獣医師が耳を傾けます。その主訴をもとに、診察・検査をして診断を下し、治療をします。

その流れは人と同じですが、動物は直接の会話をすることができません。それゆえ診察において人間以上に視診・触診・聴診が重要となります。これらの技術を鍛え上げないと、確かな診断はできません。

視診・触診・聴診で病気を絞り込み、検査が必要な場合のみ検査を実施し、治療に入ります。藤井動物病院には「とりあえずの検査」「とりあえず様子を見る」という診断がないのは、これらの診察を丁寧に行い、そこで確度を高くして検査や治療ができる技術があるからです。

中でも「触診」は重要です。藤井動物病院では診察時に症状にかかわらず、13カ所(200項目)の身体検査を実施します。13カ所とは、眼、耳、鼻、咽喉頭、消化器、生殖器、皮膚、リンパ節、可視粘膜、心血管系、呼吸器、筋骨核系、神経系です。

この身体検査を実施することで、飼い主さんも気がつかない本来の病気を探ることが可能です。この触診を徹底し、的確な診断を施すことが重要だと考えています。

「問診・触診・聴診で診断の70%以上が決まる」。これは院長の藤井が1990年初頭、米国のペンシルバニア大学へ留学した際に、Dr.Washabawという後に米国内科・学会長になった教授が学生に説いていたことです。

「1番の触診ができる獣医師になる」。藤井院長の当時の思いは、当院の獣医師にも伝承され、今日の診察・診断に生かされています。

新卒で入社し5年以内に独立開業獣医師を目指す

当院では5年以内に開業医をめざす獣医師を募集しています。獣医師をめざす新卒の学生さんには「5年で開業なんて本当にできるのですか」「実際5年で開業した方はいるのですか」と質問されることがあります。

麻の葉動物病院山下啓吾院長は、新卒で藤井動物病院に入社(2009年)し、藤井康一院長から、飼い主さんや動物に対する真摯な姿勢や、診療に対する考え方・治療方針の立て方である問題指向型SOAPを徹底して学び、その後、外科手術の技術も習得しました。さらには経営面や財務面の指導や立地調査などの指導も受け、5年後(2014年)に埼玉県越谷市で開院しています。同病院は、初年度より黒字化、3年目を迎え業績も順調に推移しています。

この功績は山下院長の尽力であることは言うまでもありませんが、藤井動物病院もあらゆる場面でサポートしています。山下院長と縁もゆかりもない埼玉県越谷市への開業も、開業時からの予約制も藤井院長のアドバイスがきっかけとなっています。

当院の考え方と支援体制であれば、新卒の獣医師の先生も30歳までには独立開業医となることができます。もちろんそうなるには、本人の努力は必要ですが「開業するために何が大事で、どのように実践して身につけていけば良いのか」。その正しい考え方やプロセスが藤井動物病院にあると言えます。

5年以内に独立開業医をめざす学生のみなさんは、一度、当院へ訪ねてきていただくと良いと思います。インターンシップ1日見学コースでも相談を受けることができますので、「開業医希望」と備考欄にお書きいただき申し込んでください。

インターンシップの申し込みフォーム

犬の歯科処置について

先日、院長が「犬や猫も予防歯科が大切。歯科処置・歯周病対策は専門の獣医師で。」を書きました。

今回は当院の宇佐美獣医師が犬の歯科処置について書きました。犬の歯は人間の歯とは異なるため、専門の獣医師による診断・治療が大切です。飼い主の皆様にもそのご理解いただけるよう、まとめました。

犬の歯科処置について

人と同様に動物においても口腔衛生が重要であると認識されるようになりましたが、日々の診察においては、未だ大半の動物が歯石沈着や歯周病を抱えているのが現状です。Q&A形式でわかりやすく整理してみました。

Q.歯周病は動物にどのような影響がある?

A.動物は少しの痛みでは食欲が落ちることが少ないため、気づきにくいですが、重度な歯周病の場合、私達と同様に痛みを伴います。歯周病菌は肝臓や心臓など全身的な疾患に関与すると言われており、歯周病は動物の寿命にも関連します。歯槽骨まで達するような重度の歯周病の場合には、敗血症に至り、止血機能の異常が起こり命取りになることさえもあります。

Q.健康診断の際に、歯の汚れを指摘されたけれどどうしたら良い?
A.歯石沈着の程度や歯周炎の程度により異なります。

歯肉炎や歯周炎がほとんどなく、歯石沈着が軽度の場合には、ご家庭での口腔内ケアをご指導します。歯肉炎(歯茎の赤み)が出てくる段階の歯石沈着では、歯石除去のためのクリーニングをご提案いたします。歯周炎(歯肉後退や歯の動揺など)が存在する段階では、歯石除去とともに、歯周組織のクリーニングを行います。この際、ダメージの大きい歯に関しては抜歯が適応になることがあります。

適切な処置を行った後は、毎日の歯磨きが最も重要です。その子その子にあったレベルでのケアをご指導いたします。

Q.口腔内処置には全身麻酔が必要なの?
A.全身麻酔をかけるということに対して、心配される方がほとんどだと思います。
最近よく、無麻酔で歯石取りを行ってくれるところがあるというお話を耳にしますが、
1.処置により十分な効果を得るために、
2.安全のためには麻酔が必要です。
以下にご説明いたします。

1.処置により十分な効果を得るために…
口腔内処置は、単に歯石除去を行うことが目的ではありません。
歯周病の治療および予防が目的であるため、歯の表面だけではなく、歯間や歯周ポケットの掃除まで行う必要があります。また、表面だけではなく、歯の裏側も同じように汚れているため、しっかりと口を開けて、内部まで精査する必要があります。無麻酔では、このような十分な処置は不可能です。
そして、歯石除去後は、歯の表面をなめらかにするための研磨作業が必要です。この処置を十分に行わず、歯石を取っただけでは、逆に歯石沈着を起こしやすい凸凹の歯面を作ってしまったことになります。

歯石が取れて見かけが綺麗になっても、十分な処置を行わなければ、歯周病の予防や治療にはならず、症状を悪化させたり、歯石沈着を助長させる原因となってしまうのです。

2.安全面において
歯石を取るための処置は、超音波スケーラーやハンドスケーラーを使って行われますが、超音波スケーラーは歯肉にしみるため痛みを伴います。また、ハンドスケーラーの 先端は鋭く、動物が動いた際に口腔内を容易に傷つけてしまいます。歯石除去中に歯を折ってしまうこともあります。
また、痛みだけでなく、処置の際に感じた恐怖心により口を触らせなくなり、その後のご家庭での口腔内ケアを困難にしてしまうこともあります。

これらは、日本小動物歯科研究会のHPに詳しく記載されております。

Q.麻酔下の歯科処置は具体的にどのようなことをするの?
日帰りで処置を行います。

1.(口腔内精査)
歯石、歯肉炎、歯周病の進行程度および腫瘤などの病変がないか全体的に観察。
【写真】口腔内全体の観察を行います。重度の歯石沈着が認められます。上顎の第4前臼歯(黄色丸)は破折しているのがわかります。
口腔内精査

2.(スケーリング)
超音波スケーラーにて、歯の表側、裏側、歯間を丁寧に磨きます。
【写真】超音波スケーラーにより歯の表面の汚れを落としているところ
スケーリング

3.(抜歯)
動揺している歯や破折している歯など温存が難しい歯があれば、抜歯します。
【写真】破折の認められた歯を歯科用ドリルで分割しているところ
抜歯1
【写真】低侵襲な超音波振骨切削機(PIEZOSURGERY)を用いて歯根膜の剥離をしているところ
抜歯2

4.(ルートプレーニングおよびキュレッタージ)
歯周ポケット内(歯根膜、歯肉縁)を掃除します。

5.(ポリッシング)
歯の表面を研磨し、歯垢を沈着しにくくします。
【写真】2種類の異なる粒子(粗いもの、より滑らかなもの)を用いて丁寧に研磨していきます。
ポリッシング
6.(洗浄)
口腔内、歯周ポケットなど全体的に洗浄します。

7.(記録)
残っている歯、抜歯した歯、歯周ポケットの深さなどを記録します。

Q.歯科処置の後はどうしたらよい?
歯磨きを主としたホームケアが重要です。ご褒美を使用しながら、歯磨きを楽しい習慣にし、毎日続けていくことが大切です。歯ブラシを使用することが好ましいですが、最初は抵抗がある子も多いため、簡単なケアから焦らずに少しずつステップアップすることが大切です。当院ではその子その子のレベルに合った方法をご指導しています。

実際には、動物の場合、口を開けてくれなかったり、嫌がって怒ってしまうなどの理由から正しく十分なケアができるようになるのには根気も必要になります。大人しくケアをさせる子であっても、歯の奥や裏側まで丁寧に磨きあげることはなかなか困難なため、定期的に口腔内チェックを病院で受けていただき、ホームケアと必要な口腔処置を繰り返すことで歯周病にならないようにしてあげましょう。

積極的にホームケアを行っている方でも、経年により歯石沈着が進行してきた場合には、数年に一回麻酔下にて歯石除去を行います。最近では、1年〜2年に一度、定期的にクリーニングをご希望される方も増えてきました。近年では麻酔は安全性が高く、歯石沈着が軽度なうちであれば、麻酔時間も短くすみ、体への負担も最小限です。

<当院の歯科処置設備>
麻酔時間をより短縮し、より安全性が高く、痛み・負担の少ない処置を心がけています。

・診察機器
1.デジタル歯科X線
歯槽骨、歯周組織など通常のレントゲン装置では評価が困難である薄い組織に対して鮮明な画像が得られます。歯1〜2本の限局的な評価に使用します。
【写真】デジタル歯科X線
デジタル歯科X線装置

2.小型CT撮影装置
わずか18秒で頭部のCT画像を撮影できる機械です。歯周病が重度である症例に関しては、歯を1本ずつX線撮影し評価することは時間がかかるため、CT撮影を実施することで大幅に時間短縮が可能です。また、鼻腔内に炎症が波及している場合などでは、歯の評価と同時に鼻腔内、副鼻腔まで評価を行うことができます。CT画像はコンピューター処理にて立体画像構築することにより、飼い主様にわかりやすい説明を心がけております。
【写真】小型CT撮影装置
小型CT撮影装置

【動画】3DCT画像 ※音量をONにすると解説を聞くことができます。

・施術機器
1.歯科ユニットOral Vet と 超音波スケーラー iPiezo engine Varios970
歯科処置は、最も多い処置の一つであるため、当院では2箇所で処置を行うことができるよう、機械は2台設置しております。
1台は、歯科用ドリルまで一体化された総合的なユニットです。
【写真】Oral Vet
oralvet
【写真】iPiezo engine Varios970  iProphy
iPiezo engine Varios970 iProphy

2.超音波振動骨切削機(PIEZOSURGERY)
人の歯科医院においても抜歯処置などに使用される機械です。
超音波振動にて歯肉や神経、血管を痛めることなく、歯槽骨、歯根膜を切削できるため、低侵襲な処置が可能であり、疼痛緩和が可能です。
【写真】(PIEZOSURGERY)
PIEZOSURGERY

3.半導体レーザー
COMPANION THERAPY LASER Lite Cure,LLC CTS-S)
歯周ポケット内の清掃・殺菌を行うことができる装置です。より狭い歯周ポケットの内部も処置が可能であり、炎症組織に作用し、歯茎の治癒を促進し、歯根との再付着を促します。
【写真】本体
① 半導体レーザー (COMPANION THERAPY LASER Lite Cure,LLC CTS-S)
【写真】外科処置用ハンドピース
外科処置用ハンドピース

犬の予防歯科や歯周病の検査・治療は、技術と歯科の設備が充実している動物病院で。まずは獣医師にご相談ください。